Cage
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かごめ
かごめ
籠の中の鳥は
いついつ出会う
夜明けの晩に
「‥辛気臭い、辞めなよ」
ベッドの上で辛気臭い歌をぼんやりと歌う亜莉香
ジャラリと首につないだ鎖が音を鳴らして、亜莉香が振り向いた事を僕に告げる
どこを見ているか定かではない瞳をしていれば可愛げがあるものの、しっかりとした瞳で亜莉香はこちらを見つめた
「いいじゃない‥私は好きよ、この歌」
まるで私みたい
自嘲の笑みを浮かべて小さく笑い、首についた鎖を指先で揺らして鳴らす
「キミが悪いんじゃないか。その白いドレスも指輪もキミの為だけに用意したのに‥」
ベッドに近づいて、鎖を弄ぶ亜莉香の指を口に含めば強張るその指先
キッと強く睨みつける事は無かったけども、瞳の奥では拒絶が示されていて、まだ僕の愛情を理解していないのかと溜息が出た
首輪に繋がった鎖を乱暴に引けば、くぐもった声と共に亜莉香の顔が近づく
「キミは僕の傍にいればいい。どうしてそれが解らないんだい?」
こんなに愛してやまないと何度も告げているのに
亜莉香は何度も僕の傍から離れようとする
その度に優しくしたし
何でも物を与えたけども
亜莉香は留まろうとはしなかった
「キミが僕を愛してると言えば自由にしてあげれるのに‥」
可哀相な亜莉香
嘘をついて僕を騙す事も出来ない
「亜莉香愛してるよ、愛してる」
嘘もつけないキミだから愛しい
何度も何度も唇を重ねて、何度も何度も囁く
一つだって応えてくれやしない亜莉香
変わりに冷たい視線で僕を見つめて、その唇が薄く弧を描く
僕を嘲笑う顔
「楽しい?御人形ごっこは」
可愛がるだけの愛玩人形
本当に愛なんてない
ただ歯向かうから欲しただけ
いつかそうキミが同じ顔で言った言葉
僕にはその欲求と愛情の何が違うのか解らない
それでもいいと、問いには答えず同じように繰り返す
「ねぇ亜莉香…今日こそはこの白を汚したい」
僕だけの色に染めたいよ
もう我慢しない
そう告げて初めてキミの顔が戸惑いに揺れる
それは初めてキミを閉じ込めた時のような
言葉の意味を正面から拒絶するような顔
僕はもう十二分に待ったんだ
何度も愛してくれるよう願ったし
僕の愛が伝わるよう努力した
でもキミは拒絶するばかり
だから
「力付くになっても仕方ないでしょ?」
引き攣った顔をしたキミの首の鎖を引いてベッドに押し倒す
押し付けるという表現が正しいかもしれない
ポケットから取出した新しい手錠で腕を拘束して、僕のベルトでベッドヘッドにくくり付ける
ジタバタと足だけで暴れる亜莉香を無視して一度ベッドを離れ、持ってきていたビデオカメラを設置
角度を合わせれば、言葉を無くしてこちらを見つめる亜莉香と目が合った
物いいたげな亜莉香をファインダー越しではなく直に見つめれば、やっと我に返ったような顔をして口を開く
「何、する気なのっ…!?」
「ビデオレターだよ」
僕たちが愛し合って一つになった事を教えてあげなきゃいけない人がいるだろ?
そう問い返せば亜莉香は首を横に振って否定する
その顎を片手でつかんで、唇を耳元に寄せて一言ささやけばピタリと動きを止めて『信じられない』と呟いた
亜莉香が今まで余裕ぶっていたのは、僕が亜莉香に酷いことをしないと思い込んでいたからなんて百も承知で
部屋に閉じ込めて首輪なんてつけた所で、自分を尊重してもらえるなんて思っていたに違いない
その予想が外れて、今こうして乱暴に扱われてる亜莉香はただひたすら戸惑いの眼差しを僕に向けている
「尚更そそるよ、その顔」
亜莉香の顔が強張って
それでも泣いたりしないのは亜莉香の良いところ
「このドレスはね、古代の王が花嫁に贈ったとされてるドレスをモチーフにしたんだよ」
それだけ愛してるって事を解って欲しい
服の上から身体のラインをなぞって
乱暴にしたって完全に酷いことが出来ないのは少しでも嫌われたくないから
「キミは僕だけのものだ‥」
そうであって欲しいと何度願ったか
顔を歪めた亜莉香がふいに僕を見て口を開く
「…悲しい王様‥貴方は奪う事しか知らないのね…」
諦めたような
それでいて
はっきりとした軽蔑の眼差し
「‥いいんだよ‥キミさえいてくれれば」
もう僕の気持ちなんて知らなくていい
解って欲しいと思ってはいたけども、相容れないならばそれでもいい
キミが奪う事の出来る物ならそれでいい
与えた愛情の分だけ返して欲しいなんて思いもしてなかったけども、愛情がないなら怨みでもいい
強い気持ちで僕を想ってさえいてくれればそれでいい
僕を
消さないでいてくれるなら
用済みの王
飾りだけの王
そんな事は解ってて、ここまできたんだ
手の平で亜莉香の頬を撫でて、髪を指ですく
頬や額にキスをして
優しく出来るのはここまでだと最後に唇へキスをした
「‥亜莉香、僕の子供を産んでよ…キミもその子も僕が全力で愛するから」
今からキミを傷つけるその口で『護る』だなんて言えない
それでもコレは愛してるからこその行為だから
いくらでも『愛してる』って言ってあげれる
愛してるから
キミが愛してくれなくたって何だって出来る
どれだけ抵抗したって
この白のドレスを汚してしまう事は簡単に出来るんだよ
「亜莉香、愛してる‥この先もずっとずっと…」
END
+++++++++++++++++++
【あとがき】
亜莉香様よりいただきました狂愛Nでした
不毛になりそうだったので若干カットアウト気味です
Cageとかいいながら、頭はsister(アーティストネタですいません)
愛し過ぎて愛し過ぎて
不器用な寂しさで一方的に愛情を押し付けるN
ちゃんと言葉にすれば伝わる事を言わないN
切ない系にシフトしかけて焦りました…つまり持久力がない←
すいません(__)
でもセリフをチョイスしていただいたら話が通じない感じにはなってるかと!
こんな感じになりましたがお受け取りいただけると幸いです(__)
ここまでお付き合い下さった読者様、ClapやBBSなどで感想など聞かせていただけたら嬉しいです
2010/11/8
++++++++++++++
ところで…指定もなかったし自重して裏にはしなかったんですが、Nの思惑通り妊娠してしまうような話で続きを書きたいなぁ…と思ってるんですが、どうですかね?
重たい…重た過ぎますかね‥?(-.-;)
重たくてもいいから続き書けばいいんじゃない?と思って下さった方はよろしければClapをポチっと押していただければ嬉しいです
2010/11/12
++++++++++++++++++
続編希望を沢山の方から戴き、感謝感謝です(__)
まとまり次第書いていきますね
ありがとうございました(__)
2010/11/29