Kiss me
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「ねぇ、レン」
1番道路の端っこでぼんやりとひなたぼっこ
座っている私の隣に寝転んで空を見ていたNが呼んだので、私は素直にNを見た
なに?
そう聞こうとしたけど、不意に引かれた腕にバランスを崩してしまい漏れた言葉は‥
「ぬわっ‥!?」
綺麗にNの胸にダイブして、あまりに可愛いげのない悲鳴に我ながらげんなりしていると、喉で笑うNの胸が揺れた
「‥何するのよ…?」
精一杯見栄をはって何でもないふりをするけど、距離の近さとNの体温に心臓が早鐘をうつ
Nにバレたくなくて離れようとしても、Nは最初に引いた腕を離してはくれなかった
「ねぇ、レン…‥キス、してよ」
「っ…」
突然の台詞に息が止まった
「…ねぇ‥ダメ?」
ダメ‥ではない‥
ダメではないが、Nが毎朝必ずしてくるキスにも慣れないのに、自分からなんてとんでもない
「‥今?」
「うん。今」
期待してるような、伺うような
でもNOとは言わせない瞳が私を射抜いている
「…」
「‥誰も見てないよ」
「でも‥」
躊躇っていたら、ふとNの手が唇に触れた
「‥スキだよ、レンの唇…女の子の柔らかさがあって」
何て事言うんだこの人は
きっと見て解るくらい顔が赤いと思う
「あぁ…帽子の鍔が、先にキスしそうだね‥」
少し意地悪く笑ってNは私の帽子を取る
「‥僕とキスするの嫌?」
「嫌…じゃない‥」
「じゃあしてよ、キス」
翡翠の瞳が、今度は熱を持って私を見つめる
私からの初めてのキスを求める視線
ゆっくりと顔近づければ、Nは嬉しそうに笑っていた
そんな顔されたら…
「ン"ンッ、ゲフン」
近くで聞こえた咳ばらい
「ちょっと、チェレン!ダメだって邪魔しちゃ~」
マイペースな幼なじみの声
唇と唇が触れるもう後一歩
お互いの息がかかるその手前
慌てて体を離せば、いささか機嫌の悪そうなチェレンと、顔を真っ赤にして慌てふためくベルの姿
「レンごめんね~、止めたんだけどチェレンってば…」
「謝る事なんかないよ、ベル。本来の目的を忘れてるNが悪いんだ」
今日はアララギ博士親子に、伝説のポケモンであるレシラムとゼクロムの生態観察をさせて欲しいって言われて、流石に家がある所では出せないから一番道路で待っていたのだ
道路の海側では、博士達がレシラムとゼクロムを並べて見ている
「チェレンはやけに僕につっかかるね」
Nが体を起こして挑発に笑う
やや眉根をピクリとさせて、チェレンは静かにNを睨みつけた
「別に、そんな事はないさ。博士達の調査が済むまで、僕達とバトルをしてもらう約束を忘れたんじゃないかと思ってね」
「忘れてはないよ」
やれやれ、といった様子で立ち上がり土を払うと、Nはまだ座ったままの私に手を差し出した
「レン、おいで」
素直にその手を掴んで立ち上がると、先程奪われた帽子が頭に戻って来る
「さっきの続きはまた後で‥」
そう耳元で囁かれて
「っん…!?」
反論しようとした唇は、Nのそれに塞がれて何も言えなくなる
「Nさんってば大胆~!」
キャー、と顔を更に赤くして叫ぶベルと
「N‥今日は負ける気がしないよ」
と眉間にシワをよせるチェレン
「望むところだよ」
笑って両手を広げるN
平和には違いない
だけどこれからの私の毎日は、どうも平和ではいれない気がしていた
END
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【あとがき】
ちょっと上手なN
まだチェレンの横恋慕書いて無かったなぁ‥なんて
キスはするよりされたい派、な感じでNを書いてみました
Nの名前、出てこないのかなぁ…?
2010/10/1