even If
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いつも
気になってた
突然私の前に現れて
いつも
その冷めた翡翠の瞳で私を見つめて
バトルをした後
少しだけ
瞳の奥が揺れるの
N
君に聞きたい事が沢山ある
フキヨセシティに着いた途端、爽やかな風が頬を掠める
洞窟のジメっとした空気から解放されてホッ、と一息
静電気で乱れた髪をとかし、自転車を進めた
プラズマ団の団員達が『N様はお前を気に入っている』と言ってた
私は何を気に入られたのだろうか?
ポケモンセンターで一休みしてジムに向かうと、アララギ博士のパパに会った
フウロさんから一緒に来て欲しいって言われて頷いたけども、頭の中はNの事ばかり
Nに会いたい
会って聞きたい事が沢山ある
チェレンやベルみたいに、私だって迷ってる
ただ
ポケモン達と一緒にいるのが楽しい
愛情を返してくれる彼らと共にいたい
一緒に世界を見て回りたい
今はそんな想いだけなのに…
塔のてっぺんにはフウロさんがいて、折角だから鐘を鳴らすように言われた
心が安らぐような厳かな鐘の音が響き渡り、振り返るとフウロさんは満足げに頷いていた
「レン、ジムで挑戦待ってるわね」
そう言って軽やかに踵を返したフウロさんを見送って、私はその場に座り込む
博士から最初に貰ったポケモン‥フタチマルを呼び出してぼんやりと思った
ポケモンも人もいつか別れが来る
永遠に一緒にはいられない
そんな事考えただけで涙が出そうになる
ここにいる人はみんなその悲しみと折り合いをつけれずに苦しんでた
だけど
誰かから強制されて別れるなんて考えた事もなかった
その悲しみはどんな物なんだろうか
「ギュキュ?」
呼び出されて放置されたフタチマルが不思議そうに私を見上げる
座り込んだ私の膝によじ登ると、フタチマルはその頬をこちらに擦り寄せて鳴いた
「いきなりさよならなんて‥したくないよね…」
ギュッと抱きしめるとフタチマルが再び心地良さそうに声をあげる
「よし!まずはジェットバッチだよ!行こう、フタチマル!!」
フタチマルボールに戻して服についた土を掃う
Nの理想は解らなくはない
だけど、私たちやポケモンと信頼しあってる人達との絆を引き裂くなんて間違ってる
それは違うと思う
Nと話したい
どうしてそう思ったのか
ポケモン達は
こんなにも素直で純粋に答えてくれるのに
私たちも
こんなに彼らを愛しいと思っているのに…
「みんな、よく頑張ってくれたね!ありがとうっ!」
ボールに向かって語りかけながらフキヨセジムを出た途端
見慣れた緑の髪が視界に入る
「…N‥」
会いたいと思っていた割には言葉は何も出て来なかった
凄く胸が締め付けられて、なんの言葉も出てこなかった
「レン、ジェットバッチを手に入れたんだね」
「うん‥」
頷くと、少しだけNが笑ったような気がした
「N、あの‥」
「君のポケモンの声、聞かせてもらうよ」
言葉が遮られてバトルかと構えた私に構わず、Nは手に持っていたゼブライカのボールに触れ、静かに目を閉じた
少ししてNは手を離すと、今までとは違う、何かに納得した顔をしてこちらを見る
「ゼブライカ‥そんなにレンがスキなんだ…信頼ししてるんだね」
そう言われて安心する自分がいる
この子達に嫌われたくない
「レン、全てのトレーナーが君達のように信頼しあうトレーナーなら良かったのに…」
「‥N…?」
一瞬、悲しげな顔を伏せて、Nは再び向き直る
「僕は僕の理想の実現の為に英雄になる。その為に伝説のドラゴンポケモンを蘇らせる。君達の絆を守りたいいうなら…もう一つのドラゴンポケモンを蘇らせて僕を止めるんだね」
言われた事の意味を理解できずにいると、Nは自嘲気味に笑って私の横を通り過ぎた
「レンみたいなトレーナーから、ポケモンは奪いたくないんだけどね」
「っ…」
すれ違い様に呟かれて慌てて振り返るけども、Nは既に彼方へ走り去っていた
「だったらどうして…」
奪う事が全てじゃない、とどこかで知っている声
聞きたい事は沢山ある
Nの中にある沢山の影が透けて見える時、どうしようもなく抱きしめたくなる
僕を止めてみせろ、と言いながら、Nの瞳は悲しい色をしていた
「‥ホントは…誰かに止めてもらいたいの…?」
N、もっと話しがしたい
もし貴方がチェレンやベルと同じ私の友達だったら
ポケモンと人間を切り離すなんて悲しい事思わなかったのかな?
思わず漏れた呟きはフキヨセのさわやかな風に掻き消されて、Nに届く事はなかった
END
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【あとがき】
フキヨセあたりでどれくらい喋ってたでしょうか?
台詞もうろ覚え中のうろ覚え←
あんまり名前変換の意味もなかったですね;;
ごめんなさい(__;)
2010/10/1