すぐ赤くなる。 好きな顔を前にして。
春だ。
長かった厳しい寒さを乗り越えて、ようやく訪れた暖かな季節。末村恭輔 はあくびを噛み締めながら、今日から通う学舎へ向かっていた。
自分と同じ、真新しい学生服に身を包んだ新入生の群れに混ざっていく。前を歩く集団に、周りの生徒よりも、一回りは縦にも横にも大きな人物が居た。
その時だ。突風が吹き、ヒラリと白が宙を舞う。
大きな体が捻られ、その紙を掴んだ。なんとなく目で追いかけていた恭輔だったが、思わず息を飲む。
天高く向けられていた腕と顔が下ろされ、ちょうど、こちら側へ顔が向いた。__それが、恭輔がこれまで生きてきた中で、出会ったことがないような男前だったからだ。
(な、なななな…ッ)
何事もなかったようにその人物は前方へ向き戻り、紙を飛ばしてしまったと思われる生徒が前から駆けてきて、感謝されていた。
恭輔の心臓は、バクバクと鼓動が早くなる。
気が付くと走り出していた。その一団を追い抜き、前を歩いていた生徒達をぐんぐんと越して行く。
目を瞑ると、先ほどの光景がスローモーションでよみがえる。男らしい太い眉、その下の鋭い眼光。鳥肌がたった。
扉を開けて、一目散に同じクラスとなった中学からの親友の元へ突っ込んだ。
「す、すすすごい男前がいた!いる!この学校に!!」
「…正義のヒーローでも居た?」
「違う!顔がすごくカッコいいヤツ!!体格もスゲーよくて…!!」
「ほー?アイツよりデカい?」
指された方へ振り向いた。まさに今しがた伝えたかったその人が、教室に入ってきたところだった。
「あ…ッ!」
恭輔はまたも息を呑んだ。
男前の生徒が、自分の名前が張られた机を探しながら進み、ちょうど、恭輔達の右斜め後ろの席に荷物を下ろした。イスに座り黒板へ向く。そこでやっと、自分を一心に見る真っ赤になった恭輔に気が付いて、首を傾げた。
それが恭輔と、田岡平太 の出会いであった。
長かった厳しい寒さを乗り越えて、ようやく訪れた暖かな季節。
自分と同じ、真新しい学生服に身を包んだ新入生の群れに混ざっていく。前を歩く集団に、周りの生徒よりも、一回りは縦にも横にも大きな人物が居た。
その時だ。突風が吹き、ヒラリと白が宙を舞う。
大きな体が捻られ、その紙を掴んだ。なんとなく目で追いかけていた恭輔だったが、思わず息を飲む。
天高く向けられていた腕と顔が下ろされ、ちょうど、こちら側へ顔が向いた。__それが、恭輔がこれまで生きてきた中で、出会ったことがないような男前だったからだ。
(な、なななな…ッ)
何事もなかったようにその人物は前方へ向き戻り、紙を飛ばしてしまったと思われる生徒が前から駆けてきて、感謝されていた。
恭輔の心臓は、バクバクと鼓動が早くなる。
気が付くと走り出していた。その一団を追い抜き、前を歩いていた生徒達をぐんぐんと越して行く。
目を瞑ると、先ほどの光景がスローモーションでよみがえる。男らしい太い眉、その下の鋭い眼光。鳥肌がたった。
扉を開けて、一目散に同じクラスとなった中学からの親友の元へ突っ込んだ。
「す、すすすごい男前がいた!いる!この学校に!!」
「…正義のヒーローでも居た?」
「違う!顔がすごくカッコいいヤツ!!体格もスゲーよくて…!!」
「ほー?アイツよりデカい?」
指された方へ振り向いた。まさに今しがた伝えたかったその人が、教室に入ってきたところだった。
「あ…ッ!」
恭輔はまたも息を呑んだ。
男前の生徒が、自分の名前が張られた机を探しながら進み、ちょうど、恭輔達の右斜め後ろの席に荷物を下ろした。イスに座り黒板へ向く。そこでやっと、自分を一心に見る真っ赤になった恭輔に気が付いて、首を傾げた。
それが恭輔と、
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