私のヒーロー。
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放課後の、人気の無い廊下。
13号は演習で使用する資料を抱えたまま足を止めた。
「…あの人さ、正直どうよ?」
「ヒーローとしても教師としても、イマイチじゃね?」
「年増相手に折角告白してやったのにな。」
2人の男。
笑いながら話している。
名前は出ていないが、誰のことを言っているか、どんな内容なのかすぐに分かった。
振られた事への腹いせだろうか。
胸の奥がひどく冷たくなった。
こんな話、聞かなければよかった。
けれど、聞いてしまった。
次の瞬間、13号は一歩踏み出していた。
「君達、訂正しなさい。」
いつもの彼女とは信じられない程低く、はっきりした声。
談笑していた生徒達が、驚いて振り向いた。
「じゅ、13号先生…」
「今の発言、許すわけにはいきません。」
怒りがあらわになっている。
ヘルメット越しでも分かる、怒りの声。
隠そうともしない、まっすぐな怒り。
「彼女がどれだけ生徒を見て、どれだけ命を張っているのか。どのような気持ちで教壇に、戦場に立っているのか。君達は本当に知っているんですか?」
沈黙が落ちる。
「彼女は軽く笑いものにしていい人じゃない。僕の尊敬する、誇り高いヒーローです。撤回しなさい。」
余りの圧に、生徒達は頭を下げてその場から逃げるしか無かった。
13号は怒りを抑える為、深い深呼吸をしてから地面に置いた資料を拾い上げた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
その日の夜。
教員寮の一室には、テレビを観ながらソファーで寛ぐ二人の姿があった。
いつもの光景。
「ねえ、13号。」
呼びかける声が、いつもより少しだけ静かだ。
13号はクッションを抱えながら、テレビを観ている。
「ん?どうしたんですか先輩?」
ミッドナイトはしばらく迷うように視線を泳がせてから、口を開いた。
「今日、怒ったんですって?」
ぴくっ、と13号の動きが止まる。
ミッドナイトと目を合わせられない。
「な、何の事でしょう?」
「ふふっ、嘘つくの下手すぎよ。」
クッションを抱く彼女の頬をつつきながらはにかむミッドナイト。
「噂になってたわよー?13号先生がマジギレしてたって。そりゃ皆、放っておかないわ」
からかうような口調。
でも、その目はやけに真剣だった。
13号は小さく息を吸って、視線を落とす。
「…生徒に、感情をぶつけてしまいました。」
「嫌な事、言われたの?」
13号は黙り込み、小さく頷いた。
「…とても不快でした。僕、こんなに怒れるんだって。自分で驚いちゃって、」
眉を八の字にして無理して笑う13号。
ミッドナイトはテレビを切って立ち上がり、13号の前に立つ。
いつもの余裕ある笑みは、少しだけ影を潜めていた。
「…ごめんね?」
「え?」
予想外の言葉に、ミッドナイトを見上げる。
彼女は申し訳なさそうに13号を見つめていた。
「私の為に、怒ってくれたんでしょう?」
「っ!そんな、事まで?」
「噂って怖いのよ?すぐ広まるわ。」
噂怖いです、と小さく呟き、13号はクッションに顔を埋めた。
そんな彼女の頭を撫でながら、ミッドナイトは静かに話し始める。
「私ね?誰かに悪く言われるの、慣れてるのよ。
下品だの、ふしだらだの、数えきれないくらい言われてきたわ。」
13号は頭を撫でられながら、黙って話を聞いている。
「でもね、“尊敬してる”なんて言われたの、初めてだった。」
13号は驚いて顔を上げる。
ミッドナイトは少し照れたように目を逸らしながら続けた。
「先輩、本当は見てたんですか?」
「たまたま!本当にたまたまね!貴方の声が聞こえたから。」
「酷いです、盗み見なんて!」
顔を赤くして怒る彼女を、ごめんごめんと抱き締める。
「貴女の気持ち、伝わったわ。ありがとう。」
「…先輩は、僕の憧れなんです。生徒であろうと、ヒーローであろうと、敵であろうと、僕は許しません。」
ミッドナイトを抱き締め返す13号。
次の瞬間、ミッドナイトはくすっと笑った。
「本当ずるいわね、貴女。」
そう言って、ソッと13号の手を取る。
「可愛い顔して、あんなに真っ直ぐ怒ってくれて。」
「…すみません。」
「謝らないの。」
ミッドナイトは、優しく、でも真剣に言った。
「今日の貴方、誰よりも私のヒーローだったわ。」
その言葉に、13号は意を決したようにミッドナイトの腕を引っ張り、ソファーへと押し倒した。
目を見開くミッドナイト。
13号の真剣な表情。
頬に手を添えられ、唇が重なった。
「…なっ、!?」
彼女がこんなにも強引な事をするのは今までで一度もなかった。
ミッドナイトの胸の高鳴りはおさまらない。
心臓が、五月蝿い。
「…僕は、」
「え?」
「僕は今まで、貴女に沢山守られ続けてきました。今度は僕が守りたい。守らせてください。」
真っ直ぐな瞳。真っ直ぐな言葉。
けれど、13号の耳は真っ赤に染まっていた。
可愛がってきた後輩が、頼もしくて、愛おしくて、堪らない。
ミッドナイトはもう一度彼女を強く抱き締めた。
13号は演習で使用する資料を抱えたまま足を止めた。
「…あの人さ、正直どうよ?」
「ヒーローとしても教師としても、イマイチじゃね?」
「年増相手に折角告白してやったのにな。」
2人の男。
笑いながら話している。
名前は出ていないが、誰のことを言っているか、どんな内容なのかすぐに分かった。
振られた事への腹いせだろうか。
胸の奥がひどく冷たくなった。
こんな話、聞かなければよかった。
けれど、聞いてしまった。
次の瞬間、13号は一歩踏み出していた。
「君達、訂正しなさい。」
いつもの彼女とは信じられない程低く、はっきりした声。
談笑していた生徒達が、驚いて振り向いた。
「じゅ、13号先生…」
「今の発言、許すわけにはいきません。」
怒りがあらわになっている。
ヘルメット越しでも分かる、怒りの声。
隠そうともしない、まっすぐな怒り。
「彼女がどれだけ生徒を見て、どれだけ命を張っているのか。どのような気持ちで教壇に、戦場に立っているのか。君達は本当に知っているんですか?」
沈黙が落ちる。
「彼女は軽く笑いものにしていい人じゃない。僕の尊敬する、誇り高いヒーローです。撤回しなさい。」
余りの圧に、生徒達は頭を下げてその場から逃げるしか無かった。
13号は怒りを抑える為、深い深呼吸をしてから地面に置いた資料を拾い上げた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
その日の夜。
教員寮の一室には、テレビを観ながらソファーで寛ぐ二人の姿があった。
いつもの光景。
「ねえ、13号。」
呼びかける声が、いつもより少しだけ静かだ。
13号はクッションを抱えながら、テレビを観ている。
「ん?どうしたんですか先輩?」
ミッドナイトはしばらく迷うように視線を泳がせてから、口を開いた。
「今日、怒ったんですって?」
ぴくっ、と13号の動きが止まる。
ミッドナイトと目を合わせられない。
「な、何の事でしょう?」
「ふふっ、嘘つくの下手すぎよ。」
クッションを抱く彼女の頬をつつきながらはにかむミッドナイト。
「噂になってたわよー?13号先生がマジギレしてたって。そりゃ皆、放っておかないわ」
からかうような口調。
でも、その目はやけに真剣だった。
13号は小さく息を吸って、視線を落とす。
「…生徒に、感情をぶつけてしまいました。」
「嫌な事、言われたの?」
13号は黙り込み、小さく頷いた。
「…とても不快でした。僕、こんなに怒れるんだって。自分で驚いちゃって、」
眉を八の字にして無理して笑う13号。
ミッドナイトはテレビを切って立ち上がり、13号の前に立つ。
いつもの余裕ある笑みは、少しだけ影を潜めていた。
「…ごめんね?」
「え?」
予想外の言葉に、ミッドナイトを見上げる。
彼女は申し訳なさそうに13号を見つめていた。
「私の為に、怒ってくれたんでしょう?」
「っ!そんな、事まで?」
「噂って怖いのよ?すぐ広まるわ。」
噂怖いです、と小さく呟き、13号はクッションに顔を埋めた。
そんな彼女の頭を撫でながら、ミッドナイトは静かに話し始める。
「私ね?誰かに悪く言われるの、慣れてるのよ。
下品だの、ふしだらだの、数えきれないくらい言われてきたわ。」
13号は頭を撫でられながら、黙って話を聞いている。
「でもね、“尊敬してる”なんて言われたの、初めてだった。」
13号は驚いて顔を上げる。
ミッドナイトは少し照れたように目を逸らしながら続けた。
「先輩、本当は見てたんですか?」
「たまたま!本当にたまたまね!貴方の声が聞こえたから。」
「酷いです、盗み見なんて!」
顔を赤くして怒る彼女を、ごめんごめんと抱き締める。
「貴女の気持ち、伝わったわ。ありがとう。」
「…先輩は、僕の憧れなんです。生徒であろうと、ヒーローであろうと、敵であろうと、僕は許しません。」
ミッドナイトを抱き締め返す13号。
次の瞬間、ミッドナイトはくすっと笑った。
「本当ずるいわね、貴女。」
そう言って、ソッと13号の手を取る。
「可愛い顔して、あんなに真っ直ぐ怒ってくれて。」
「…すみません。」
「謝らないの。」
ミッドナイトは、優しく、でも真剣に言った。
「今日の貴方、誰よりも私のヒーローだったわ。」
その言葉に、13号は意を決したようにミッドナイトの腕を引っ張り、ソファーへと押し倒した。
目を見開くミッドナイト。
13号の真剣な表情。
頬に手を添えられ、唇が重なった。
「…なっ、!?」
彼女がこんなにも強引な事をするのは今までで一度もなかった。
ミッドナイトの胸の高鳴りはおさまらない。
心臓が、五月蝿い。
「…僕は、」
「え?」
「僕は今まで、貴女に沢山守られ続けてきました。今度は僕が守りたい。守らせてください。」
真っ直ぐな瞳。真っ直ぐな言葉。
けれど、13号の耳は真っ赤に染まっていた。
可愛がってきた後輩が、頼もしくて、愛おしくて、堪らない。
ミッドナイトはもう一度彼女を強く抱き締めた。
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