不慮の事故
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最近、13号は妙に視線を感じていた。
廊下を歩くだけで、ひそひそ声が追いかけてくる。
「ね、今の人さ…」
「コスチューム壊れたって話、本当だったんだ。」
噂は広がりきっていた。
いつもならすぐに着くはずの職員室が、妙に遠く感じた。
「13号先生!」
「は、はい。何でしょう?」
振り向いた瞬間、男子生徒がびしっと背筋を伸ばす。
「お、お疲れ様です!あの、」
視線が泳ぎ、顔が赤くなっている。
「災害救助に興味があるんですけど、何かこう、個性使う時のアドバイスが欲しくて…」
「俺もです!出来たら放課後…」
「おい、順番守れよ!」
何だろうこれは。
「僕、この後会議なので、また今度。気をつけて帰ってくださいね。」
苦笑いの13号は、言い争っている生徒達から逃げるようにその場を後にした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「はぁ…。」
会議終わりの職員室。
深いため息が聞こえた。
そんな後輩の様子を楽しみながら見ている女が一人。
「ふふっ、大変そうねぇ。13号。」
「ミッドナイト先輩…」
ミッドナイトは珈琲の入ったコップを13号の机に置く。
ありがとうございます、と珈琲を飲み始める13号だったが、明らかに疲れ果てていた。
近くにいたセメントスも、13号にお菓子を手渡す。
「告白未遂、今日で3件ですって。」
「うちのクラスの生徒も何やら君宛に手紙を書いていたよ。」
「大人気じゃない♪」
「からかわないでくださいよー。僕、とても授業がやりづらいんですから。」
はぁ、とまた深いため息。
落ち込む13号をよしよし、と慰め、ミッドナイトは言う。
「そういえばセメントス。貴方この子の同期でしょう?学生時代は大丈夫だったの?」
セメントス、本名:石山堅は直方体の顔をぽりぽりと掻きながら回答する。
「いやー、男子にも女子にもモテてましたよ。でも13号はこの性格ですからね。生命力に溢れてて神々しい屋久杉が自分の恋人ですので、って全部断っていました。」
「あー…」
成程ね、と呆れた顔で13号の頭を撫でる。
「セメントス、余計な事言わないで下さい…。」
「ごめんよ。でも、君はもっと自分に自信を持つべきだよ。」
「そうよ13号!セメントスの言う通り!」
13号をぎゅーっと抱き締めて、ミッドナイトが言う。
「せ、先輩…!」
「あのコスチュームも可愛いけど、素の貴方も十分可愛いわよ。」
「もっと胸を張れば良いのよ!貴方みたいに身長が高くて、スラッとしていて、可愛い女の子そうはいないわ?おまけに何?胸だってあって、理想の体型なんだからもっと強調するコスチュームにすれば良いのに、宇宙服って。あれじゃあ性別も分からないわよ?大体13号、メイクちゃんとしてるの?ヘルメット被るから蒸れるって2年くらい前からメイク辞めてたわよね。ノーメイクであれだけ生徒から声を掛けられるなんて武勇伝じゃない!」
止まらない。
ミッドナイトが止まらない。
「先輩、もういいです!十分ですので…!」
言われ慣れない13号は赤面し、ジタバタと暴れ出す。
「こんなに美人で美しい先輩ヒーローが言ってるんだから、間違いないわ?」
「…それ、自分で言います?」
「言うわよ?」
即答するミッドナイト。
「でもね、」
ミッドナイトの笑顔が消え、声のトーンがほんの少しだけ落ちた。
「生徒がありのままの貴方に注目しているのは貴方に関心がある証拠でしょう?貴方はちゃんと皆に見て貰えてるのよ。受け入れて貰えてるの。関心がなければ、教師の容姿なんてどうでも良いものよ。」
一拍。
「だからもっと、胸張っていいのよ。」
「…はい。」
ミッドナイトは立ち上がり、腕を組む。
「さ、飲み行くわよ〜!」
「え!?この流れでですか?」
「落ち込み続けるなら、私が横でずっと喋り倒すけど?」
「……それは、ちょっと…」
「はい決まり!セメントスも来なさいよ〜!」
「え!?」
「先輩命令!」
衝撃を受ける2人。
やれやれ、と自分の机に向かうセメントスと
ウキウキとはしゃいでいるミッドナイト。
2人の背中を見て、13号は小さく笑った。
職員室にはもう、重たい空気は残っていなかった。
廊下を歩くだけで、ひそひそ声が追いかけてくる。
「ね、今の人さ…」
「コスチューム壊れたって話、本当だったんだ。」
噂は広がりきっていた。
いつもならすぐに着くはずの職員室が、妙に遠く感じた。
「13号先生!」
「は、はい。何でしょう?」
振り向いた瞬間、男子生徒がびしっと背筋を伸ばす。
「お、お疲れ様です!あの、」
視線が泳ぎ、顔が赤くなっている。
「災害救助に興味があるんですけど、何かこう、個性使う時のアドバイスが欲しくて…」
「俺もです!出来たら放課後…」
「おい、順番守れよ!」
何だろうこれは。
「僕、この後会議なので、また今度。気をつけて帰ってくださいね。」
苦笑いの13号は、言い争っている生徒達から逃げるようにその場を後にした。
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「はぁ…。」
会議終わりの職員室。
深いため息が聞こえた。
そんな後輩の様子を楽しみながら見ている女が一人。
「ふふっ、大変そうねぇ。13号。」
「ミッドナイト先輩…」
ミッドナイトは珈琲の入ったコップを13号の机に置く。
ありがとうございます、と珈琲を飲み始める13号だったが、明らかに疲れ果てていた。
近くにいたセメントスも、13号にお菓子を手渡す。
「告白未遂、今日で3件ですって。」
「うちのクラスの生徒も何やら君宛に手紙を書いていたよ。」
「大人気じゃない♪」
「からかわないでくださいよー。僕、とても授業がやりづらいんですから。」
はぁ、とまた深いため息。
落ち込む13号をよしよし、と慰め、ミッドナイトは言う。
「そういえばセメントス。貴方この子の同期でしょう?学生時代は大丈夫だったの?」
セメントス、本名:石山堅は直方体の顔をぽりぽりと掻きながら回答する。
「いやー、男子にも女子にもモテてましたよ。でも13号はこの性格ですからね。生命力に溢れてて神々しい屋久杉が自分の恋人ですので、って全部断っていました。」
「あー…」
成程ね、と呆れた顔で13号の頭を撫でる。
「セメントス、余計な事言わないで下さい…。」
「ごめんよ。でも、君はもっと自分に自信を持つべきだよ。」
「そうよ13号!セメントスの言う通り!」
13号をぎゅーっと抱き締めて、ミッドナイトが言う。
「せ、先輩…!」
「あのコスチュームも可愛いけど、素の貴方も十分可愛いわよ。」
「もっと胸を張れば良いのよ!貴方みたいに身長が高くて、スラッとしていて、可愛い女の子そうはいないわ?おまけに何?胸だってあって、理想の体型なんだからもっと強調するコスチュームにすれば良いのに、宇宙服って。あれじゃあ性別も分からないわよ?大体13号、メイクちゃんとしてるの?ヘルメット被るから蒸れるって2年くらい前からメイク辞めてたわよね。ノーメイクであれだけ生徒から声を掛けられるなんて武勇伝じゃない!」
止まらない。
ミッドナイトが止まらない。
「先輩、もういいです!十分ですので…!」
言われ慣れない13号は赤面し、ジタバタと暴れ出す。
「こんなに美人で美しい先輩ヒーローが言ってるんだから、間違いないわ?」
「…それ、自分で言います?」
「言うわよ?」
即答するミッドナイト。
「でもね、」
ミッドナイトの笑顔が消え、声のトーンがほんの少しだけ落ちた。
「生徒がありのままの貴方に注目しているのは貴方に関心がある証拠でしょう?貴方はちゃんと皆に見て貰えてるのよ。受け入れて貰えてるの。関心がなければ、教師の容姿なんてどうでも良いものよ。」
一拍。
「だからもっと、胸張っていいのよ。」
「…はい。」
ミッドナイトは立ち上がり、腕を組む。
「さ、飲み行くわよ〜!」
「え!?この流れでですか?」
「落ち込み続けるなら、私が横でずっと喋り倒すけど?」
「……それは、ちょっと…」
「はい決まり!セメントスも来なさいよ〜!」
「え!?」
「先輩命令!」
衝撃を受ける2人。
やれやれ、と自分の机に向かうセメントスと
ウキウキとはしゃいでいるミッドナイト。
2人の背中を見て、13号は小さく笑った。
職員室にはもう、重たい空気は残っていなかった。
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