炎の中で、何を憶う
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復旧作業が続く中でも、自然災害は起きる。
突如地面が揺れ、人々は悲鳴を上げる。
ミッドナイトと13号は冷静に住民に声を掛け続けていた。
名前もまた、子ども達にしゃがんで頭を守るように促す。
周囲を見渡すと、積み重なった瓦礫の付近に男の子を見つけた。
名前は周囲の子ども達の頭を撫でてからひと言、「直ぐに戻るよ」。
そう言い残して、地面を蹴った。
名前の個性の雷が弾けた瞬間、空気がビリッと震えた。
「名前!!」
気付いたミッドナイトが叫ぶと同時に、瓦礫は音を立てて崩れ落ちた。
「うわあああ!!」
バチィッ!!
泣き叫ぶ男の子に直撃する直前で黒い雷が大きな音を立てて弾けた。
粉々に砕け、焦げた破片となって地面に散らばる。
指先に残る黒い電気の残滓が、パチ、パチ…!と小さく弾けて消えていく。
パラパラと落ちる小さな石くれの音だけが、遅れて静寂を連れてくる。
煙の匂い。焦げたコンクリートの粉塵。
聞こえてくるのは、男の子の泣き声。
煙が晴れると、男の子を抱き抱えて歩く名前の姿があった。
直ぐさま13号が駆けつけて崩れる可能性のある残りの瓦礫をブラックホールで吸い込んだ。
「名前さん、無事かい?」
「はい、13号先生。…もう大丈夫だよ。」
優しく男の子の頭を撫でる名前を見て、13号とミッドナイトは安堵の表情を浮かべる。
避難していた人たちは、何が起きたのか分からないまま、ただ呆然と立ち尽くしていた。
子どもが一人、ぽつりと呟く。
「かっこいい…。」
子ども達は名前を遠くから見つめる。
「名前。」
駆けつけたミッドナイトの声が後ろから聞こえた。
その目の奥には、はっきりとした動揺がある。
「今のは、いつもの雷の威力と比じゃなかった。」
叱っているわけじゃない。
しかし、見逃せないという声だった。
名前ははっとして、いつもの加減が出来ていなかった事に気付く。
「…ミッドナイト先生、すみません。咄嗟に体が動いてしまって。」
少しピリつく空気。
13号がそんな2人の間にふわりと入る。
「でも、完璧な判断でした。あのままだと二時崩落が起きていたでしょう。」
そうフォローしつつも、13号の視線もまた、名前の手元に落ちる。
微かに震えているのを見逃さなかった。
その時――
先程呟いたの子どもが、駆け寄ってきた。
「おねえちゃん!さっきのすごいね! ヒーローみたい!!」
満面で無邪気な笑顔。
名前は目を見開いて、それからぎこちなく笑う。
「…私は、ヒーローのお手伝いだよ。」
ミッドナイトはその横顔を見る。
誇らしさと、ほんの少しの悲しみが混ざったような目で。
「名前。」
今度は、先程よりもやわらかい声。
名前が振り向く。
「少し休憩にしましょう。13号、ここの指揮をお願いできる?」
「はい。任せてください先輩。」
13号に一礼し、素直について来る名前。
少し静かな場所まで歩きながら、ミッドナイトは隣を歩く名前にちらりと視線を向ける。
「さっきの子の言葉、聞いた?」
「はい。」
「どう思った?」
少しの沈黙。
名前は視線を逸らし、少し頬を緩める。
「…嬉しかった、です。」
その声は小さいけれど、確かに届いた。
ミッドナイトはふっと微笑む。
「なら今日は、それだけで十分。」
ミッドナイトが名前の頭を撫でる。
「よく頑張ったわね。」
「…ッ!」
名前はそのあたたかい掌を心地良さそうに受け入れる。
感心して褒めてくれる人は今までにも沢山いた。
誰かに褒められる事がこんなにも嬉しく感じるのは初めてだった。
名前は不思議に思いながら、笑いながら髪をくしゃくしゃにしてくるミッドナイトを見つめていた。
遠くではまだ救助活動の声が響いている。
けれどこの小さな休憩の輪の中だけ、時間がゆるやかに流れた。
避難所の片付けがひと段落して、帰る時間が近付く。
辺りは夕焼けのオレンジ色で染まっている。
「…もう帰っちゃうの?」
最初に声を上げたのは、小さな女の子だった。
名前の服の袖を掴む。
それをきっかけに、あちこちから不安そうな顔が向けられる。
「やだ。」
「もっと居てよ、遊んでよ。」
ついには、ぽろぽろと涙までこぼれ始めた。
名前は一瞬困ったように目を瞬かせて、それからしゃがんで子ども達に声を掛ける。
「ごめんね。もう帰らなきゃ。」
鼻をすすっている女の子の頭に、そっと手を乗せる。
先程自分がしてもらったように、優しく、ゆっくりと頭を撫でる。
「また来るよ。約束。」
「ほんと…?」
「うん。今度はもっと遊べるように、早く片付けられらように頑張ろう?」
指で子ども達の涙を掬う。
子ども達は溢れてくる涙を袖で拭きながら、何度も頷いた。
小さな手が服の裾をぎゅっと掴んで、名残惜しそうに離れていく。
少し離れた場所で、その光景を見ている二人。
13号が、ヘルメット越しでも分かるほどやわらかい声で呟く。
「素敵な関わり方ですね。安心させるのが上手だ。」
ミッドナイトは腕を組んだまま、静かに目を細める。
「ええ。あの子、戦う時よりこういう時の方が自然な顔するのよ。ヒーローに向いてる、って簡単に言いたくないけどね。」
小さく息を吐く。
ミッドナイト視線の先では、子どもが名前
にぎゅっと抱きついている。
名前は驚きながらも、ぎこちなく背中に手を回した。
「また今度!絶対だからね!!」
「うん。約束するよ。」
そのやり取りを見届けてから、13号がそっと言う。
「あの子が無理をしすぎないように、僕達が見ておかないといけませんね。」
ミッドナイトはふっと笑う。
「本当よ。今日から保護者が1人増えたんだから、覚悟してもらわないとね。」
冗談めかした言い方で笑い合う2人。
やがて名前が小走りで戻ってくる。
少し目が赤いのを、本人だけが隠しきれていない。
「すみません先生、お待たせしました。」
ミッドナイトがぽん、と軽く頭に手を乗せる。
「お疲れ様、ヒーロー。」
名前は少し照れくさそうにしながら、13号に問う。
「お二人で何を話してたんですか?」
「…内緒です。」
「ええー!?」
「大人の話よ❤ほら、さっさと帰るわよ!」
名前は2人のヒーローの背中を追いかける。
夕方の光の中、3人の影がゆっくりと伸びていった。
突如地面が揺れ、人々は悲鳴を上げる。
ミッドナイトと13号は冷静に住民に声を掛け続けていた。
名前もまた、子ども達にしゃがんで頭を守るように促す。
周囲を見渡すと、積み重なった瓦礫の付近に男の子を見つけた。
名前は周囲の子ども達の頭を撫でてからひと言、「直ぐに戻るよ」。
そう言い残して、地面を蹴った。
名前の個性の雷が弾けた瞬間、空気がビリッと震えた。
「名前!!」
気付いたミッドナイトが叫ぶと同時に、瓦礫は音を立てて崩れ落ちた。
「うわあああ!!」
バチィッ!!
泣き叫ぶ男の子に直撃する直前で黒い雷が大きな音を立てて弾けた。
粉々に砕け、焦げた破片となって地面に散らばる。
指先に残る黒い電気の残滓が、パチ、パチ…!と小さく弾けて消えていく。
パラパラと落ちる小さな石くれの音だけが、遅れて静寂を連れてくる。
煙の匂い。焦げたコンクリートの粉塵。
聞こえてくるのは、男の子の泣き声。
煙が晴れると、男の子を抱き抱えて歩く名前の姿があった。
直ぐさま13号が駆けつけて崩れる可能性のある残りの瓦礫をブラックホールで吸い込んだ。
「名前さん、無事かい?」
「はい、13号先生。…もう大丈夫だよ。」
優しく男の子の頭を撫でる名前を見て、13号とミッドナイトは安堵の表情を浮かべる。
避難していた人たちは、何が起きたのか分からないまま、ただ呆然と立ち尽くしていた。
子どもが一人、ぽつりと呟く。
「かっこいい…。」
子ども達は名前を遠くから見つめる。
「名前。」
駆けつけたミッドナイトの声が後ろから聞こえた。
その目の奥には、はっきりとした動揺がある。
「今のは、いつもの雷の威力と比じゃなかった。」
叱っているわけじゃない。
しかし、見逃せないという声だった。
名前ははっとして、いつもの加減が出来ていなかった事に気付く。
「…ミッドナイト先生、すみません。咄嗟に体が動いてしまって。」
少しピリつく空気。
13号がそんな2人の間にふわりと入る。
「でも、完璧な判断でした。あのままだと二時崩落が起きていたでしょう。」
そうフォローしつつも、13号の視線もまた、名前の手元に落ちる。
微かに震えているのを見逃さなかった。
その時――
先程呟いたの子どもが、駆け寄ってきた。
「おねえちゃん!さっきのすごいね! ヒーローみたい!!」
満面で無邪気な笑顔。
名前は目を見開いて、それからぎこちなく笑う。
「…私は、ヒーローのお手伝いだよ。」
ミッドナイトはその横顔を見る。
誇らしさと、ほんの少しの悲しみが混ざったような目で。
「名前。」
今度は、先程よりもやわらかい声。
名前が振り向く。
「少し休憩にしましょう。13号、ここの指揮をお願いできる?」
「はい。任せてください先輩。」
13号に一礼し、素直について来る名前。
少し静かな場所まで歩きながら、ミッドナイトは隣を歩く名前にちらりと視線を向ける。
「さっきの子の言葉、聞いた?」
「はい。」
「どう思った?」
少しの沈黙。
名前は視線を逸らし、少し頬を緩める。
「…嬉しかった、です。」
その声は小さいけれど、確かに届いた。
ミッドナイトはふっと微笑む。
「なら今日は、それだけで十分。」
ミッドナイトが名前の頭を撫でる。
「よく頑張ったわね。」
「…ッ!」
名前はそのあたたかい掌を心地良さそうに受け入れる。
感心して褒めてくれる人は今までにも沢山いた。
誰かに褒められる事がこんなにも嬉しく感じるのは初めてだった。
名前は不思議に思いながら、笑いながら髪をくしゃくしゃにしてくるミッドナイトを見つめていた。
遠くではまだ救助活動の声が響いている。
けれどこの小さな休憩の輪の中だけ、時間がゆるやかに流れた。
避難所の片付けがひと段落して、帰る時間が近付く。
辺りは夕焼けのオレンジ色で染まっている。
「…もう帰っちゃうの?」
最初に声を上げたのは、小さな女の子だった。
名前の服の袖を掴む。
それをきっかけに、あちこちから不安そうな顔が向けられる。
「やだ。」
「もっと居てよ、遊んでよ。」
ついには、ぽろぽろと涙までこぼれ始めた。
名前は一瞬困ったように目を瞬かせて、それからしゃがんで子ども達に声を掛ける。
「ごめんね。もう帰らなきゃ。」
鼻をすすっている女の子の頭に、そっと手を乗せる。
先程自分がしてもらったように、優しく、ゆっくりと頭を撫でる。
「また来るよ。約束。」
「ほんと…?」
「うん。今度はもっと遊べるように、早く片付けられらように頑張ろう?」
指で子ども達の涙を掬う。
子ども達は溢れてくる涙を袖で拭きながら、何度も頷いた。
小さな手が服の裾をぎゅっと掴んで、名残惜しそうに離れていく。
少し離れた場所で、その光景を見ている二人。
13号が、ヘルメット越しでも分かるほどやわらかい声で呟く。
「素敵な関わり方ですね。安心させるのが上手だ。」
ミッドナイトは腕を組んだまま、静かに目を細める。
「ええ。あの子、戦う時よりこういう時の方が自然な顔するのよ。ヒーローに向いてる、って簡単に言いたくないけどね。」
小さく息を吐く。
ミッドナイト視線の先では、子どもが名前
にぎゅっと抱きついている。
名前は驚きながらも、ぎこちなく背中に手を回した。
「また今度!絶対だからね!!」
「うん。約束するよ。」
そのやり取りを見届けてから、13号がそっと言う。
「あの子が無理をしすぎないように、僕達が見ておかないといけませんね。」
ミッドナイトはふっと笑う。
「本当よ。今日から保護者が1人増えたんだから、覚悟してもらわないとね。」
冗談めかした言い方で笑い合う2人。
やがて名前が小走りで戻ってくる。
少し目が赤いのを、本人だけが隠しきれていない。
「すみません先生、お待たせしました。」
ミッドナイトがぽん、と軽く頭に手を乗せる。
「お疲れ様、ヒーロー。」
名前は少し照れくさそうにしながら、13号に問う。
「お二人で何を話してたんですか?」
「…内緒です。」
「ええー!?」
「大人の話よ❤ほら、さっさと帰るわよ!」
名前は2人のヒーローの背中を追いかける。
夕方の光の中、3人の影がゆっくりと伸びていった。
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