設定しない場合の主人公の名前は、ブラウニーとなります。
051〜100
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空耳だろうか。
ブラウニーは、自室の扉をノックする音が聞こえた気がして、部屋の奥から扉を覗き込んだ。
しかし、続くノック音はなく、やはり気のせいだったのかと扉から目を外したそのとき、今度は確かに、でもとても遠慮がちにノック音が聞こえてきた。
ブラウニーは出入口に向かいながら時計を見る。
生徒たちは寝ているか、起きていたとしても寮から出てくることは考えにくい。
となると、扉をノックした主は。
彼女は羽織っていたガウンの前を閉じて、腰紐を結びながら扉に近づいた。
「すみません…今開けますね」
ブラウニーが扉を少し引き、そこから顔を覗かせると、立っていたのはルーピンだった。
彼は後頭部に手を当てて、ばつが悪そうに微笑んだ。
ブラウニーは、てっきり校内で何か問題が起きたのかと思っただけに、彼の顔を見るなり安堵して、扉を大きく開き、笑って尋ねた。
「どうしたの?」
「こんな時間に悪いね」
「ううん」
ルーピンは、そう言って微笑んだブラウニーの髪が濡れていること、ガウン姿であることに気が付いた。
「それにごめん…間が悪かったみたいだ」
「大丈夫だよ。それにしても、ずいぶん控えめなノックだったね。気のせいかと思っちゃって、すぐに出なくてごめんね」
彼女はそう言いながら、彼が部屋に入れるよう通路を空けた。
「いや、時間が時間だから、どうだろうかと思ってしまって…。ああ、ありがとう、でも本当に声が聞きたかっただけなんだ」
ルーピンは立ち止まったまま、ブラウニーの目を見つめて言う。
「会いたかった」
「ふふ。今週、何度も会ってるよ」
「校内で姿を見かけるのは、会っているとは言わないだろう?」
ブラウニーが笑うと同時に、廊下のほうから規則的な足音が聞こえてきた。
ルーピンはその音の聞こえてくる方向を見たが、まだその足音の主は廊下の曲がり角の先にいるようで、姿は見えなかった。
ブラウニーは彼のローブをちょんちょんと引っ張り、中に引き入れ、部屋の扉を静かに閉めた。
彼は小さな声で「マクゴナガル?」と尋ねると、彼女は一度頷いて、同じように小さな声で「たぶん」と言った。
ブラウニーはルーピンの胸元のあたりをじっと見つめるようにして耳を澄ませ、足音の主が部屋へ戻るのを待った。
ルーピンは、近づいてくる足音と、目の前の濡れ髪の無防備な彼女に、静かに唾を飲んだ。
彼がブラウニーの髪の毛の束をひと掬いして彼女の耳に掛けると、彼女は見上げて微笑んだ。
扉一枚を隔てた廊下側のすぐ近くで、足音が通り過ぎる。
その足音は少しすると聞こえなくなったが、対照的に彼女の心臓の音は高鳴った。
ルーピンが彼女自身を見つめたまま動かない。
「リーマス…?もう…大丈夫みたいだよ?」
ルーピンは僅かに遅れて微笑み、指先で彼女の前髪を少し避けると額にキスをした。
「…部屋に戻りたくなくなるよ」
「ふふ。泊まっていく?」
「それを言うかな」
「でも…明日、寝不足じゃまずいもんね」
「それは…寝不足になるほど、今夜…いいことをしてくれるってこと?」
ルーピンは彼女のガウンの腰紐を優しく掴んだ。
「…そうじゃなくて…!」
「うん?」
彼の手が腰紐を引っ張った。
「ベッドが狭いから、」
「うん」
「ぐっすり寝た感じがしないかもしれないって…」
「うん」
腰紐の結び目も解かれ、さらに、パジャマのボタンも外されていく。
「き、聞いてる…?」
ブラウニーは、はだけたパジャマから覗く肌を隠すように、パジャマの前立てを掴む。
「うん、もちろん。ただ…ブラウニーのもっとかわいい声、聞きたくなっちゃった」