設定しない場合の主人公の名前は、ブラウニーとなります。
001〜050
夢小説設定
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「ふふ。どうして?」
医務室のベッドの上で座って読書をしていたブラウニーは、聞こえてきた足音に顔を上げた。
そして、現れたルーピンの姿に微笑み、読んでいたページに栞を挟んだ。
「食欲があるか分からなかったから…どうかなと思ったんだけど、フルーツを持ってきたんだ」
「ありがとう。すごい嬉しい」
ブラウニーはそう言って、持っていた本をサイドテーブルに置いた。
ルーピンはベッドの脇に置いてあった椅子に腰掛け、彼女に尋ねる。
「具合はもういいの?」
「うん。マダムのおかげ。すっかり良くなったよ」
「良かった。食欲は?」
「元通りだと思う。もうお腹がすいてるよ」
「良いことだよ。あとでマダムのOKが出たら、一緒に大広間に行こう」
「うん」
「…さて、どれか食べる?」
ルーピンは、フルーツの入ったゴブレットを少し傾け、ブラウニーによく見えるようにした。
「うん。…あっ、この葉っぱみたいな飾り切り、好きだなあ」
ブラウニーが指差したのは、櫛形にカットされた皮付きのりんごに、中心に向かって両側から切り込みを入れ、その切り込み部分を少しずつずらすことによって、まるで木の葉のように見えるようにカットされたものだった。
ブラウニーが「いい?」と聞くと、ルーピンは微笑みながら頷いて、彼女が手に取りやすいようにゴブレットを近づけた。
「いただきます。…リーマスも一緒に食べよう?」
「それじゃあ私も頂こうかな」
そうしてフルーツが順調に減っていくなかで、ブラウニーが尋ねた。
「…ところでこのフルーツ、厨房で?」
「うん。屋敷しもべ妖精にお願いしたんだ。できればかわいく盛り付けてもらえると嬉しいんだ、って」
「ふふ。彼らの忙しい時間にそんなこと言って、嫌な顔されなかった?」
「いや、喜んでやってくれたよ。見事なものだよ」
「盛り付けも飾り切りも、ずいぶんかわいいもんね」
「だろう?私には真似できないよ。私にできることと言ったら…」
ルーピンはそう言って、ふとゴブレットの中を覗き込み、笑顔になると、一つだけ残っていたさくらんぼの軸を摘んだ。
「はい…あーん」
彼はブラウニーの口元にさくらんぼを運ぶ。
彼女も彼につられるように笑い、口を開けた。
さくらんぼの実が口に入ると、ブラウニーは口から飛び出している軸を摘んでぷちっと引っ張った。
彼女がもぐもぐとさくらんぼを食べている傍ら、ルーピンは掌を差し出す。
「ん…ありがとう」
ブラウニーはさくらんぼの軸をルーピンの掌に載せると、彼はそれを空になったゴブレットの中に入れた。
「…ごめんね。それもらってもいい?」
そう言って今度は彼女がゴブレットを受け取り、もう一方の手にさくらんぼの種を出すと、掌を傾けて、そのまま種をゴブレットに入れた。
ゴブレットの中に種がころんと落ちた音が二人の耳に届いた。
ブラウニーはゴブレットをサイドテーブルに置く。
「…良かった。全部食べられたね」
「うん。ごちそうさま。どれも甘くておいしかったー。ありがとうね」
「うん」
ルーピンは一度立ち上がると、ブラウニーのベッドに座り直す。
ベッドがぎしっと音を立てた。
「元気になって良かったよ」
ルーピンはそう言って、彼女の手を握る。
それから優しい眼差しで微笑んで、彼女にキスをした。