設定しない場合の主人公の名前は、ブラウニーとなります。
001〜050
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スネイプが研究室に戻ると、革張りの一人掛けソファでブラウニーがうたた寝をしていた。
彼は日中の彼女の言葉を思い出す。
今夜は、フリットウィック先生やハグリッドたちと一緒に、マダム・ロスメルタのお店に行ってきますね。
彼は時計を見て、視線を彼女の寝顔に戻した。
もう戻ってきたということだろうか。
いずれにせよ、なぜこの時間にここにいるのか。
スネイプは控えめに声を掛ける。
「ブラウニー。ここで寝ると風邪を引く」
脱力して少しだけ開かれた唇が、彼女がまだ深い眠りの中にいることを示していた。
スネイプはそうして少しの間、彼女の唇を見ていたことに気が付き、目を逸らした。
それから彼は、研究室に戻ってきた本来の目的を思い出し、彼女の元を離れた。
その作業の合間にも、彼の意識は、ともすると彼女に注がれた。
スネイプが作業を終える頃、彼女に僅かな動きが見られたため、様子を伺いながら彼女の元へ近づいていく。
ソファの前に立ち、未だまぶたを閉じている彼女の顔を見て、相変わらず気持ち良さそうな寝顔だと微笑むと、彼はソファの肘掛けに手をついて再び彼女の名前を呼んだ。
「ブラウニー…」
彼女は一回だけぼんやりと目を開けると、夢心地の笑みを浮かべた。
「起きたかね。寝るならば、部屋に戻…って…」
スネイプが言い終える前に、ブラウニーは両腕を伸ばして彼を抱きしめた。
彼は驚いたが、彼女の腕を振り解く素振りも見せず、少しの間悩んだ挙句、中腰の姿勢から片膝をついた。
彼の嗅覚を、彼女の匂いがくすぐる。
ブラウニー。君は今、誰の夢を見ている。
ブラウニーは夢見心地にも、感触の生々しさを不思議に感じていた。
この感覚は何だろう。
夢にしては少し、温かく、くすぐったい。
彼女は、夢か現実かよく分からなかったが、普段の起床時とは違う景色を見ていた。
…研究室。
そうだ、ハグリッドたちと別れて、ここに戻ってきたんだった。
研究室にまだスネイプ先生がいるかと思って…
ん…
スネイプ先生…?
目の前の黒い服。
身に覚えのある匂い。
私が抱きしめているものは。
アルコールの入った頭でさえも、結論を導き出すのは難しくなかった。
私の心臓よ、どうか落ち着いて。
このままでは鼓動が伝わってしまいそう。
あれは…夢ではなかったんだ。
スネイプ先生は、どうして私の腕を振り解かなかったのだろう。
どうして今も私の腕の中に。
酔っ払いの戯言と思って付き合ってくれているのだろうか。
ああ、神様。
どんな理由でもいいです。
もう少しだけ、このままでいてもいいですか。