設定しない場合の主人公の名前は、ブラウニーとなります。
001〜050
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「ただいま戻りましたー」
ブラウニーが茶色い大きな紙袋を抱えながら研究室のドアを開けると、中にいたスネイプが慌てて何かを隠したように見えた。
「ずいぶん早かったな」
「あ…はい、結構空いてて…それで意外と早く帰ってこられたんですけど…」
スネイプはブラウニーのほうに顔を向けてはいたものの、彼女と視線を合わせるとすぐに目を逸らした。
それから彼の視線は、机の上の実験器具や、壁に並んださまざまな瓶を経由した後、手元の本に戻った。
「スネイプ先生、今何か…隠しませんでした?」
スネイプはブラウニーの言葉を否定するかのように、開いていたページを大袈裟に閉じて、その本を机の上に置いた。
「隠してなど…」
「いやっ、絶対何か隠しましたよね…!この間もそうだった気がするし…もしかして…私が見たらまずいものですか?」
「どういう意味だ。そんなものはない」
ブラウニーは先ほどまで抱えていた紙袋を机の上に置くと、スネイプを凝視したまま近くまで歩み寄った。
彼女は座っている彼の右側から、背後を回って左側に来たとき、目を細めて言った。
「怪しい…」
スネイプの鼻からため息が漏れる。
「スネイプ先生、ちょっと立ってみてください」
名探偵気取りのブラウニーは、顎に手を当てて、立ち上がった彼の全身を舐めるように見た。
「…両手を広げて、まっすぐ立っていてくださいね」
スネイプは渋々腕を上げ、ブラウニーはその腕を両手で挟むようにしてボディチェックを始めた。
難しい表情をして両腕のチェックを終えると、今度は上半身に移る。
ブラウニーの両手が少しずつ下りていく間に、スネイプの手がブラウニーに伸びた。
彼の両手が、彼女の首や顎の付近に添えられる。
「いい度胸だな。何も出てこなかったら…今度は我輩がブラウニーの体をチェックする番、ということで良いかね」
意地悪そうに笑いながらそう言ったスネイプの唇が、彼女の唇に近づいた。
「ちょ、ちょっとストップ!そう言って誤魔化すつもりですよね…」
ブラウニーはスネイプの体に手を突いて、なんとか彼のキスを免れ、そして仕切り直すように咳払いをした。
彼の腕を横に広げさせて、再び彼の体のラインに沿って手を下ろしていき、彼女は呟く。
「そもそも、何で隠すんですか…隠し事はしないって…」
ブラウニーの手が彼のローブのポケットのあたりを通り過ぎようとしたとき、ローブ越しに何かに触れた。
彼女がスネイプの表情を窺うと、彼は目を合わせようとしなかった。
「これ…」
「いや、これはだな…」
スネイプがローブのポケットに手を入れ、ブラウニーから離れようとしたが、彼女は彼のローブを掴み、そうさせなかった。
「もしそれが私の思ってるものだとしたら、隠すようなものじゃありません」
スネイプはブラウニーの目を見ると、観念したようにため息をついた。
「ブラウニーもそのときになれば直に分かる。どうしても、その、抵抗がだな…」
ポケットから出された彼の手には、少し小ぶりにも見える眼鏡が握られていた。
「やっぱり…。もしかして、老眼鏡ですか?」
「…リーディンググラスと言いたまえ」
彼の怒ったようにも照れたようにも見える表情に、ブラウニーは微笑んだ。
「ふふ、すみません。使い始めたんですね、リーディンググラス。みんないずれ通る道なので、恥ずかしいことじゃないと思いますよ。私もいつかお世話になるときが来るわけですし」
さらにブラウニーは、スネイプが持つ眼鏡を指差して言った。
「その眼鏡、ちょっと掛けてみてください」
先ほどの微笑みとは違う、わくわくしたような表情でブラウニーが言った。
スネイプは眉間に皺を寄せて躊躇ったが、彼女の期待の眼差しに折れる形で、眼鏡を掛けた。
そしてすぐに眼鏡を外そうとするので、ブラウニーがその手を止めた。
「あ、もうちょっとだけ…!眼鏡、似合ってます。素敵です…」
いつもの雰囲気とはまた違う彼の雰囲気に、ブラウニーはうっとりした表情を浮かべた。
それから彼の首元に両手を伸ばし、背伸びする。
スネイプもそれを受け入れてキスをした。
「…ブラウニーの表情がよく見える。これはこれで、悪くないな」