獣星
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ハル先輩に呼び出されて庭園の小屋に行くと、そこには数匹の3年生達の中でハル先輩のベッドに気持ちよさそうにゴロンと寝転がっている月先輩の姿があった。
「来てくれてありがとうレゴシ君。飲ませるつもりは無かったんだけどね、というか1杯しか飲んで無いんだけど、お酒の匂いで酔っ払っちゃったみたいなの。」
「そうですか…。」
「もうすぐお開きにするんだけど、私じゃ月は運べないし、ここに寝かせておくわけにもいかないじゃない?」
「そうですね。」
「運べる人達は何匹かいるけどみんなオスだし、レゴシ君嫌がると思って。」
「嫌ですね。」
「あら、素直ね。」
クスクスと笑うハル先輩と、残念!というようにはしゃいでいる酔っ払ったオスの先輩達。ハル先輩と遊ぶとは言っていたけど、オスがいるなんて聞いていなかった。しかもお酒まで。
「じゃあ、連れて行きますね。」
「うん、ありがとう。月が起きたらごめんって言っといて。」
「はい。失礼します。」
揺すっても起きない月先輩をお姫様抱っこし、庭園を後にする。柔らかい感触が腕に広がる。なんとも言えぬ感情が沸き起こり、思わず力を込めてしまう。力が入ったせいか、抱えられていることに気づいた月先輩は目を覚ました。
「…んぁ?あー!レゴシ君!レゴシ君だぁー!」
「…月先輩。未成年の飲酒は良くないですよ。」
「何言ってんのレゴシ君!飲んでなんか無いよ〜ん!」
「はぁ…。」
火照った肌、とろんとした瞳に思わず俺のオスとしての感情が爆発しそうになる。この人は、自覚というものが無いのか。
「オスもいたんですね。」
「そーなの!私も知らなかったからびっくりしたんだけど、でもみんないい人達だったよー!」
「そうですか。」
「…レゴシ君怒ってる?」
「はい。」
怒られている理由がよく分かっていない月先輩は不安そうにそわそわしだす。
「お酒飲んだから?」
「そうですね。良くないですよね。」
「…ごめんなさい。」
「それだけじゃないです。」
「??」
月先輩の部屋に行く途中にある中庭には、夜も遅いせいか誰もいない。月明かりが優しく心地よい。中庭にあるベンチにそっと月先輩を下ろす。
「もし、」
「きゃっ」
力の入らない月先輩を押し倒し、両腕を俺の片手で上にまとめた。
「レゴシ君…?」
ちょっとは抵抗してくれ。潤んだ瞳で見つめられると、たまらなくなる。
「こうやって、あそこにいたオス達にされてたらどうしたんですか?お酒も飲んでて力も出ないし、ハル先輩では助けられませんよ。」
「そんなことみんなしないよ!」
「もし、」
「ひゃんっ」
空いている方の手で月先輩の脚を撫で回す。鍛えられたふとももは、引き締まっているが、メス独特の柔らかさがある。
「こうやって、脚に触れられてたら、どうしたんですか?」
「そんなことしないもん…。」
「もし、ですよ。月先輩。」
「んむっ…うぅ」
こんな事俺は普段しないのに。あの場のアルコールの匂いに俺も少しあてられたのかもしれない。月先輩の両腕を固定したまま、口を塞ぐ。突然のことに涙目になる月先輩。でも、全く抵抗をしてこない。
「どうして、抵抗しないんですか?月先輩。」
「ぷはっ、だって…」
「だって?」
目を合わせづらいのか、右や左をキョロキョロ見ている。その様ですら、俺を煽る材料になることを、この人は全く分かっていない。
「レゴシ君になら、何されても嬉しいもん…。」
「!!」
少し大胆な発言に、自分で恥ずかしくなってしまったのか、涙が目に溜まっている。しかし今度は目を逸らさず、ジッと俺のことを見つめる。ああ、もうこの人は。
「何されても、ですか。俺もオスなんで、止まらないですよ?」
「いや、ここではもうこれ以上は…。誰か来るかもだし。」
「もし、来なかったら?」
「もう、もしは無しー!」
思わず2人で吹き出してしまい、俺は先輩の両腕の固定を解いた。
「痛かったですか?」
「ううん、痛くなかったけど、ドキドキした。」
「ドキドキ、ですか。」
「うん、レゴシ君もオスなんだなあと。」
「…オスですよ、俺も。嫉妬もしますし。」
「嫉妬してたの!?」
「…。」
この無自覚な可愛い生き物に、どうしたら自覚をさせられるだろうか。
「嫉妬なんかしなくても大丈夫だよレゴシ君。私、レゴシ君以外のオスに全く興味ないから。」
「月先輩がなくても向こうにはありますよ、先輩に興味が。」
「そうだとしても、大丈夫!」
「?」
「レゴシ君以外の人に、触らせないようにするもん!私はレゴシ君のものだから!」
「!!」
自信満々に言う月先輩がすごく可愛い。だから、俺もオスだということを、この人は…。昂ぶる感情をありったけの理性で抑える。
「…部屋、送りますね。」
「ありがとう。あの…ね、レゴシ君。」
「?」
「さっきの続きは、また今度、しようね?」
照れながら言う月先輩の姿に俺の理性は完全に切れ、続きを今度じゃなくて今することにした。
「レゴシ君!誰か来ちゃうってば!」
「もし、来なかったら?」
「もー!」