英雄
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今日は、早朝からの勤務だ!プロヒーローになって早1年が経つ。目の前に広がる悪を倒し、救けを求める人々を救う。もっともっと、人々の平和のために貢献せねば!
「ん〜…天哉…?」
「ああ、月!すまない!起こしてしまったかな!」
「ふぁ…。」
この、寝ぼけ眼な可愛い女性は月。雄英高校時代から付き合っており、現在は一緒に暮らしている。彼女もプロヒーローだ。
「もう出勤…?」
「ああ!今日は早朝パトロールの日なんだ!眠そうだね。」
「ん〜、昨日遅かったから。」
「そうだったね。解決はしたのかい?」
「うん。デク君が駆けつけてくれたの。」
「それはよかった!ゆっくり休むといいよ。」
まだ完全に目が覚めきっていない月は、ゴロンと横向きになって僕をトロンとした目で見上げている。出勤前に見るんじゃなかった。離れ難くなってしまう。
「あのね、天哉、お弁当、冷蔵庫の中にある。」
「弁当を作ってくれたのかい!?ありがとう!」
「あとオレンジジュースも買って来て冷やしといた…。ふぁ…。」
「至れり尽くせりだな!ありがとう!頂くよ!僕も月にお土産があってね!プリンを冷蔵庫に入れておいたよ!」
「んふふ、ありがとう。」
本当に、見るんじゃなかった。にこりと笑う月が可愛いすぎて目が離せない。暑かったのだろう、月のパジャマの胸元はいつも以上に開いており、そこから胸の形がよく分かる。下着を着けていないのも丸分かりだ。それでいて普段しっかりしている月があまりすることのない弛緩しきった表情。月の全てが、ドキリ、と僕の心臓を動かした。
「じゃ、じゃあ、行ってくるよ!」
「…………。」
「月?」
いつもなら「行ってらっしゃい!」と言ってくれる筈なのに、今日は珍しく伏し目がちでだんまりな月に不安を覚え近づくと、腰にキュッと抱きつかれた。
「な…!月…!?」
「…………や………。」
「…?」
「…行っちゃ…やだー。」
「…!」
普段はこんな我儘言わないのに、今日の月はどうしたというのだ。そして普段しないからこそ新鮮で、正直めちゃくちゃ可愛い。もう一度言おう。めちゃくちゃ可愛い。
「月、どうしたんだい?」
「んー、分かんない。なんかあったとかじゃないんだけど…。」
「うん?」
「なんか、天哉の顔見たら、あー、大好きだなーって思って、胸がキューってなっちゃった…。」
「!!」
「天哉に触りたくなっちゃったし、我儘も言いたくなっちゃった。」
ごめんね、と言って月は僕から離れようとする。どうして彼女ははこうも簡単に僕の心を揺さぶることが出来るのだろう。どうして僕は、こんなにも彼女の事が好きなのだろう。手を伸ばし、離れていってしまう月を抱きしめた。
「僕も、その、胸がキューっとなっている!」
「!」
「その、月のことが、大好きなんだ!」
「ふふ、一緒だね。」
「月、このキューってやつを貯めておいて、今週末、2人でどこかに出掛けて発散しないか?」
「なにそれ楽しそう。賛成です、ヒーロー。」
「うむ!」
「ヒーロー、お出掛けする時、手は繋いでくれますか?」
「勿論だ!離さないぞ!」
「やったー!」
すっかり目が覚めてニコニコとご機嫌な月を見ると、自分も自然と笑顔になってしまう。この可愛い笑顔をずっと見ていたい。
「ヒーロ〜!救けて〜!」
「む!どうした!?」
「キスしてくれないと倒れちゃいそう〜!」
「むむ!それは大変だ!」
ケラケラとふざける月の肩に手をそっと置き、優しいキスをした。
「行ってらっしゃい。気をつけてね。」
「ああ、行ってきます。」
月が作ってくれた弁当と冷えたオレンジジュースを持ち、事務所に向かう。事務所でヒーロースーツに着替え、パトロールに向かう。ヒーローマスクの下の顔がずっとニヤけていることを、市民の皆さんはきっと気づかないだろう。
「インゲニウムお前、何ニヤニヤしてんだ。」
「と、とど…ヒーローショート!どうして分かったんだい!?」