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「サスケ君、お待たせ!」
「待ってねえ。」
今日は月と付き合い出してから初めてのデート。こいつは木ノ葉学園の同級生で、その頃からの付き合いだが、交際ってやつが始まったのはついこの間。月は忍術学校時代から俺のことが好きだったようで、成人した今、ようやくその気持ちを伝えてきた。ようやく、だ。
「結構待たせちゃった?」
「待ってねえっつってんだろ。」
「服選ぶのに戸惑っちゃってさ、こんな時間になっちゃった。ごめんなさい!」
「フン、服なんてどれも同じだろ。」
めちゃめちゃ可愛いじゃねえかなんだその服は。普段はお互い仕事で忍者服を着ているため、月の私服を拝めることはなかなかない。写メ撮りてえ保存してえ。でもそんなこと言えるわけねえんだよ。
「へへ、そだね。でも、サスケ君の私服かっこいいね。ドキドキしちゃう!」
「うるせえな。こんなもん適当だよ。」
実は買った。今日のために買った。なんならナルトとかに相談した。役には立たなかったが。こいつが喜ぶ顔が見たくて、こいつに…かっこいいと思われたくて…ってオレはどうしちまったんだ。
「いやでもダメだー。かっこよくてずっとサスケ君のこと見ちゃうよぉ〜。」
「気持ち悪い、見んな。」
「ご、ごめん!」
月が俺を見つめるだけで、心臓が大きく音を立てる。そんな可愛い顔でこっち見んな。こっちがどれだけ平静装ってると思ってんだこいつ。こいつのこととなるといちいち余裕がなくなる自分が腹立たしい。俺だってな、
「なんかもー、私ばっかサスケ君のこと好きだから恥ずかしいなー!」
「…フン。」
お前のことがずっと好きだったんだぞ。
「で、今日はどこ行きてえんだよ。」
「えっとね、私、アクセサリー作りたいから材料買わなきゃなんだよね。ちょっとお店寄っていい?」
「好きにしろ。」
「ありがとう!」
こいつはこういう細々したものを作るのが上手い。俺には絶対出来ない。まだ付き合う前に作るところを見たが、相当器用だ。つーか、なんだその趣味。いちいち可愛いやつだな。
「作ってどうすんだよ、その細々したやつを。」
「ああ、シカマル君にあげるの!」
「………………は?」
「シカマル君がね、なんか今度……サスケ君、なんか怒ってる?」
「あ?うるせえ黙れ。」
なんで他の男にあげんだよ。つかなんで他の男と喋ってんだよ。俺には月の作った手作りアクセサリーくれたことねえじゃねえか。隠せないほどに不機嫌になる嫉妬深い自分に驚く。こんな感情、自分にもあるんだな。
「…なんか、テマリちゃんへのプレゼントなんだって。頼まれて…。」
「!!…あ、そう。」
「もしかしてだけど、」
「黙れ喋んな。」
「サスケ君今…嫉妬してくれてた?」
「!!!!…なっ…!」
あまりにも唐突に自分の気持ちを当てられ、固まってしまった。その俺の反応に気づくとボンっと赤くなり、涙目になる月。
「…どうしよ…私、サスケ君が彼氏ってだけでもういっぱいいっぱい幸せなのに、ね、どんどん欲張りになっちゃって…。」
ああ、
「私が好きなのと…同じくらい、サスケ君が…」
なんて、
「わ、私のこと、好きだったらなあ…って。」
愛しいのだろう。
「サスケ君…。」
「好きでもねえ奴とわざわざ休日に、興味もねえ細々したのの店に誰が行くかよ。」
「!!…へへ、そだね、ありがとう。サスケ君大好き。」
「フン。」
上手に言葉に出来ない分、せめて、せめてこの愛しい人に俺の溢れんばかりの愛が伝わりますように。涙目で俺を見上げる真っ赤っかの月の額に想いを込めて、そっとキスをした。
「!!!!?…サ、サスケ君、い、今。」
「おら、行くぞ。」
「い、今、おでこに…!サスケ君!ねえ!サスケ君もっかい!」
「しねえよ!調子乗んな。」
赤くなった顔を見られたくなくて、そっぽ向いて月の手を引き、歩き出した。
「…好きに決まってんだろ、バーカ。」
「へ?なんか言った?」
「なんでもねえよ。」