夢幻泡影
おなまえ
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※注意。乱数の殺人表現有
「ひっ…!」
その光景を目にした途端、背筋に走るとてつもない寒気に私は思わず手にしていた上着をその場に投げ出してしまう。喉からは自然と情けない声が荒い息と共に漏れた。
…何で、血が。
ていうか、なに、これ…
胸の鼓動が早く脈打ち、まるで全身が心臓になったかのようにどくどくと血の巡りが耳元にこだまする。
血は完全に乾いておらずまだ水っぽい為、恐らく流れ落ちたのであろう赤黒い血液の小さな池が服をかけてあったすぐ下に出来ており、それがやけにリアルに見えたのとこの血がついてまだ然程時間が経っていないことを理解し私は思わず口を手で覆いながら後ずさりをした。
その瞬間、_____背中に何かがぶつかる感覚。
体をびくりと揺らしてゆっくりと後ろを振り向くと、いつもと変わらぬ笑顔を貼り付けた乱数くんが首を傾げるのが見える。
「オネーサン、何してるの?」
「ら、らむだ、く……これ、」
私が震える体を抑えて、血の付いた上着を指差すと乱数くんは一瞬黙り込んだかのように見えたが、すぐに口角を上げて口を開いた。
「ごめんね、怖がらしちゃった〜?実はシブヤを壊そうとするすっごくわっるい奴がいてね、オネーサンの家に行く前に倒してきたんだ。でも大丈夫だよ、ちゃんと僕が始末したから」
「……ぇ、始末、って…」
まさか、人を______
光のない瞳を満足げに細めて心底楽しそうに笑う乱数くんがこちらを見つめているのか分かり、私の背筋はぞっと凍りつく。
何だか目の前にいる彼が、彼じゃないみたい。
いつもとは明らかに身に纏う雰囲気が違い、狂気や異常さを含んだその笑みに私の心はどんどん冷え切っていく。
「…ら、むだくん…、」
「あ、僕ってば間違えちゃった!正確に言うと、〝僕たちの仲を壊そうとする邪魔なヤツ〟だねっ」
「………え、」
______いま、何て言った?
彼の口から溢れた言葉に強い衝撃を受けた私は、その場に呆然と立ち尽くすことしかできない。
すると乱数くんは決して笑顔は消すことなく自身のポケットを探ると、その中から取り出した一枚の写真をこちらに見せた。
…え?
「…っ、なんで……」
絶句して、私はその場に崩れ落ちる。
なぜなら、そこには先程別れたばかりのあの一夜を過ごした男が残虐な死体となって写り込んでいたからだ。
息が上手くできない。過呼吸を起こした私は喉に手を当てて必死に空気を吸おうと、口をはくはくと大きく開ける。
全身の震えが止まらない。大雪の中に一人全裸で投げ出されたかの如くガクガクと震える体を何とか抑えようと、自身の体を抱きしめる体勢を取る。
「オネーサン、大丈夫〜?ま、大丈夫なわけないか」
「は、…っ、ぁ、っ……、ら、む…く、」
地面に座り込んだ私と目線を合わせるようにしゃがんだ乱数くんが、わざとらしく眉を下げて心配そうに顔を覗き込んでくる。
しかし、その瞳に宿るのは、心配なんてものじゃない。
「なんてたって、さっきまでセックスしてた男が殺されちゃったんだもんね?」
がつん、頭を鈍器で殴られるような衝撃が全身を駆け巡った。
「ひっ…!」
その光景を目にした途端、背筋に走るとてつもない寒気に私は思わず手にしていた上着をその場に投げ出してしまう。喉からは自然と情けない声が荒い息と共に漏れた。
…何で、血が。
ていうか、なに、これ…
胸の鼓動が早く脈打ち、まるで全身が心臓になったかのようにどくどくと血の巡りが耳元にこだまする。
血は完全に乾いておらずまだ水っぽい為、恐らく流れ落ちたのであろう赤黒い血液の小さな池が服をかけてあったすぐ下に出来ており、それがやけにリアルに見えたのとこの血がついてまだ然程時間が経っていないことを理解し私は思わず口を手で覆いながら後ずさりをした。
その瞬間、_____背中に何かがぶつかる感覚。
体をびくりと揺らしてゆっくりと後ろを振り向くと、いつもと変わらぬ笑顔を貼り付けた乱数くんが首を傾げるのが見える。
「オネーサン、何してるの?」
「ら、らむだ、く……これ、」
私が震える体を抑えて、血の付いた上着を指差すと乱数くんは一瞬黙り込んだかのように見えたが、すぐに口角を上げて口を開いた。
「ごめんね、怖がらしちゃった〜?実はシブヤを壊そうとするすっごくわっるい奴がいてね、オネーサンの家に行く前に倒してきたんだ。でも大丈夫だよ、ちゃんと僕が始末したから」
「……ぇ、始末、って…」
まさか、人を______
光のない瞳を満足げに細めて心底楽しそうに笑う乱数くんがこちらを見つめているのか分かり、私の背筋はぞっと凍りつく。
何だか目の前にいる彼が、彼じゃないみたい。
いつもとは明らかに身に纏う雰囲気が違い、狂気や異常さを含んだその笑みに私の心はどんどん冷え切っていく。
「…ら、むだくん…、」
「あ、僕ってば間違えちゃった!正確に言うと、〝僕たちの仲を壊そうとする邪魔なヤツ〟だねっ」
「………え、」
______いま、何て言った?
彼の口から溢れた言葉に強い衝撃を受けた私は、その場に呆然と立ち尽くすことしかできない。
すると乱数くんは決して笑顔は消すことなく自身のポケットを探ると、その中から取り出した一枚の写真をこちらに見せた。
…え?
「…っ、なんで……」
絶句して、私はその場に崩れ落ちる。
なぜなら、そこには先程別れたばかりのあの一夜を過ごした男が残虐な死体となって写り込んでいたからだ。
息が上手くできない。過呼吸を起こした私は喉に手を当てて必死に空気を吸おうと、口をはくはくと大きく開ける。
全身の震えが止まらない。大雪の中に一人全裸で投げ出されたかの如くガクガクと震える体を何とか抑えようと、自身の体を抱きしめる体勢を取る。
「オネーサン、大丈夫〜?ま、大丈夫なわけないか」
「は、…っ、ぁ、っ……、ら、む…く、」
地面に座り込んだ私と目線を合わせるようにしゃがんだ乱数くんが、わざとらしく眉を下げて心配そうに顔を覗き込んでくる。
しかし、その瞳に宿るのは、心配なんてものじゃない。
「なんてたって、さっきまでセックスしてた男が殺されちゃったんだもんね?」
がつん、頭を鈍器で殴られるような衝撃が全身を駆け巡った。