Beginning
おなまえ
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…もしかして、私なんか変なことでも言ったのか?
私の発言を最後にすっかり二人の間には重たい沈黙流れ、額に冷や汗がじわりと滲みこめかみがひくつく。
目の前のコスプレイヤーさんは心底理解できないと言ったように眉を顰めながら首を傾げ、怪しげにこちらを見つめるだけで。
疑われるようなその視線に焦った私は、何とか弁解しようと慌てて再度口を開いた。
「え、えっとですね!あのいきなりすみません…!でも貴方が帝統のコスプレをしてるものだからてっきりヒプマイファンかと思いまして…!実は私も好きなので、良かったら話し合うかなって!」
「…あのよ、言ってる事が何一つ理解できねーんだけど……ヒプマイって何だ?…それに俺はコスプレなんかしてねぇよ」
「は………、はい?」
早口で捲したてる私とは裏腹に、冷静な声色で淡々と言葉を並べるコスプレイヤーさん。
その中にある爆弾を拾い上げた私は、一瞬で思考も体の動きも停止してしまった。
……コスプレじゃないって、
え?…どういうこと…?
固まった体で何とか眼球だけを動かし彼の顔を見てみると、コスプレイヤーさんの表情は至って真面目でとても冗談を言っているようには思えなかった。
「あの、じゃ、貴方は…コスプレじゃなくて、」
……って、ことは、本当にここって…
「本物の、」
勝手に声が震える。それはそうだ、こんな話とてもじゃないが現実離れしすぎている。
「?…ああ、俺は正真正銘本物の有栖川帝統だけど」
…ああ、神様。これは夢?いや、夢な訳がない…もう、そろそろ認めないといけないのかな。
目の前で怪訝そうに首をかしげるコスプレイヤーさんだと思っていた人は、本物のあの大好きなヒプノシスマイクの登場キャラクターである有栖川帝統で。
何でかは分からないけど、本当に私は異次元にトリップしてしまったのだろうか。にわかに信じ難いけれど、もう認めるしかない。
私は胸に手を当てて大きく深呼吸を繰り返すと、最後の確認のためにゆっくりと口を開いた。
「じゃあ…、ここって何処なんですか?」
「は?お前さっきから何言ってんだよ。
_____ここはシブヤ・ディビジョンだろ」
______どくん。
その瞬間私の胸は痛いほど大きく高鳴りを告げ、全ての疑いは確信に変わる。
…紛れもない。ここはヒプノシスマイクの世界だ。