Awakening
おなまえ
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「……え?」
気付くと私は見知らぬ土地の路地裏の端で、ゆっくりと瞼を浮上させていた。
取り敢えず重たい体を起こし、辺りをキョロキョロと数回見回してみたが、そこには全く知らない風景が広がっているだけで。
え…?ここ、どこ……?
空を見上げてみると澄み切った青が瞳に映り、まだ日中なんだということが分かる。
数メートル先に見える路地裏の出口からは誰かが怒鳴り合う声や、下品な男の人の笑い声が聞こえ、その恐ろしさに思わず体が震えてしまった。
ていうか、ここは一体どこなのだろう。
誘拐なら、きっとこんな所に置き去りになんてしないだろうし…、私が勝手に迷ってしまったのだろうか。
本当は内心恐怖心と不安に支配され、今すぐ大声を上げて誰かに縋り付きたい気持ちがあったが、それを必死に抑えるように頭で冷静な分析を始める。
けれど自然と体は小刻みに震えており、それを何とか止めようと私は両腕を抱えるようにして丸くなった。
……えっと、昨日は普通に学校に行って、授業を受けて和子と帰って………。
…あれ?そこからどうしたんだっけ?
何とか昨日の事を思い出そうと頭の中に思考回路を張り巡らせたが、記憶の一部が欠落したかのように昨日の帰り道からの記憶が一切思い出せない。いや、無いと言った方がいいだろうか。
和子とヒプマイの話で盛り上がって、カフェに行こうとか、話して_______あれ、その後私どうやって帰ったんだっけ?
脳内に散りばめられている記憶を必死に引きづり出そうと試みるが、思い出そうとすればするほどその記憶にどんどん靄がかかっていく。
私の中には混乱と焦りが生まれ、不安な気持ちがだんだんと膨れ上がってしまう。
思い出せ、思い出せ……!
………何で、何も分からないの……?
体の震えは一向に止まらず、知らない場所に一人でいる事の不安で心が押し潰されそうだ。
どうすればいいか分からなくなり、それと共に目頭に熱が生まれ出す。
こんな所で泣いていてもどうにもならないと、唇を強く噛み締めて今にも溢れそうな涙を必死に抑えた。
______その瞬間、
_______プルルルル……
制服のポケットに入っていた携帯が震え出し、誰かからの着信を知らせた。