第10話:覚醒の初期段階
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『嘘...どうしよう...え?ええ?』
重い身体を起こして、寝ぼけ眼で学校へ行く準備をする。
制服、OK。髪の毛、OK。
鞄…カ、カバンが…ない。
『えええええー!!!?』
鞄がないー!?
『うそ!?うそ!?何でぇ!?どうしたんだっけ!?』
教科書もノートも!
財布も全部、入ったままなのに!?
一体、どこにやったの!?
パニックに陥る奈由は、鞄を最後に使った場所を思い出そうと、働かない頭を一生懸命フル回転させ、記憶を巡らせた。
昨日の学校では、勿論持ってたし
放課後に買い物に行かなきゃいけなかったから、勿論持ってたし…
も、もしかして
『あの森の中に置いてきちゃった...?』
昨日のあの光景が蘇る。
妖怪の狂気に満ちた、あの姿。
凄まじい破壊力で、幽助君に深手を負わせた。
…私も、殺されかけた。
『あそこに、また行かなきゃいけないの…?』
そう思うと、恐怖で身体が縮こまった。
行きたくないな。
でも、誰かに代わりに行ってもらうわけには行かないし…。
あ。もしかして!
森じゃなくて、幽助君の家に置いてきたのかもしれない!
その可能性がある!と思うと、気持ちが多少浮上してきた。
教科書もないとなると、授業も受けられないし
ましてや何も持たずに行ったら、友達から笑われそうだ。
奈由は遅刻覚悟で、まずは幽助の家へ行く事にした。