第1話.掴まれた左腕
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この声、聞き覚えがある。
私は、恐る恐る後ろを振り向いた。
そこにいたのは…
やはり、昨日の彼だった。
『え!?わ、私…!?』
「ああ、話しがしたいんだ」
今にも、心臓が破裂しそうなほど高鳴る。
どうしようどうしよう!どうしよう!!
話すって!?何を?
何を話せば良いの!?
「…じゃ、奈由!私達、先に教室戻ってるね!」
『ぇえ!?』
「ごゆっくり!」
4人は、ヒラヒラと手を振りながら、足早に去って行った。
ご、ごゆっくりって…!あの子らは…!
この雰囲気…もう話しするしかないよね。
「屋上で良いかな?」
『…う、うん』
南野君は、先頭を歩き、私達は屋上へと向かった。
少し距離を保ちながら、私は、南野君の背中を見つめて歩く。
『………』
何故かな。
どことなくだけど
南野君の背中は
悲しげで
儚げで
同級生とは思えないような、不思議な雰囲気を感じさせた。