第1話.掴まれた左腕
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『………うそ…』
1時間目終了のチャイムが鳴り
私達5人は、事実を知りたいがあまり、猛ダッシュでA組へと向かった。
ドアの隅で隠れるようにA組を見渡す。
しかし、見渡すまでもなかった。
窓側奥の1番後ろの席。
そこに、本を黙読する南野君の姿があった。
「で、奈由。どうなの?昨日の人は南野君なの?」
『…ま、間違いないと思う』
「マジで?!」
奈由は頷きながらも、視線だけはしっかりと南野君を捉えていた。
同じ学年に、こんな男の子がいたなんて。
なんていうか…本当に…綺麗な人だな…。
「…奈由、話しかけなよ」
『は!?何で!?』
明日香の唐突な提案を断固拒否。
「でも昨日抱きしめてきたのにも何か理由あるのかもよ?てか、ないと絶対変だろ。もしかしたら…奈由のこと好きなのかもじゃん」
『そ、そんなことあるわけないでしょ!だって話したこともないんだよ?』
「え~でもさぁ~…一目惚れで上手く話かけられなかったとかさ~…それで街で見かけて、つい抱きしめちゃいました~!みたいな?」
『無理!絶対無理!てか無いから!ていうか、アンタ達楽しんでるでしょ?!』
「いやいや、私達はね、大好きな奈由のことを心配して………あ」
突然4人は一点を見つめながら、凍りついたように固まった。
そう、私は気付かなかった。
まさか後ろに、あの人がいるとは。
「ちょっと、良いかな」