「なんだお前は！どこから来やがった！？」

男もまた、奈由に驚き怒号を響かせた。

奈由は、2人の驚く様子には見向きもせず、幽助を助けなければという想いにかられる。

幽助君...凄い血がでてる...！

『お願い！これ以上はやめてください！死んじゃうじゃない！』

奈由は、恐怖で身も心も限界に達していた。
震える声で、男に懇願する。

しかし、その様子は、逆に男を興奮させる材料になってしまったらしい。

「うははは…お前さん馬鹿かい？死んじゃう？これはなぁ、殺すためにやってるんだよ」

男はスッとしゃがみ、奈由に視線を合わせ、奈由の顎をグィッと持ちあげる。

『うっ...！』

「良い顔だねぇ。その怯えた表情。俺は人間が嫌いだが、人間のその恐怖に満ちた時の表情だけはぁ、好きだぜ？」

「おい、やめろ！！アンタ、本当に逃げろ！俺のことはいいから！」


幽助は力を振り絞り、奈由と男を引き剥がそうとするが、それもむなしく男はまた、力強く拳を握り締める。

「しょうがねぇな。2人いっぺんに殺してやるよ！うるああああああああああ！」

高々と上げられた、男の拳が飛んでくる。

『いっ...いやああ！！！』

奈由は瞬間、目をギュッと瞑った。

もう、ダメだ...！！！







しかし




「ねぇ～誰かいるの？こっちに人がいるよ！」

「ねぇ～！私達と一緒にキャンプをしませんか！？食べ物もい～っぱいあるのよ～！」