第7話:新たなる展開
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待って。何あれ。何、今の人…!?
堅いの良く、目付きが悪い。
いかにも怪しい雰囲気を漂わせている男がいる。
だが、それだけではない。
その男の風貌は、目を疑うものだった。
―何で、あの人…角が生えてるの?
男の頭に、鬼のような角が生えている。
そしてまた一つ、驚愕したことがある。
周りにいる通行人の誰1人として
彼のその異質な姿に、気が付いていない様子だ。
何故?私にしかあの角は見えていないの?
奈由は、恐ろしいその姿に、戦慄を走らせた。
そして、今の奈由だからこそ分かることがある。
あれは、人間ではない。幽霊なんかでもない。
あの男から放たれているオーラは、あれは妖気だ。
―あの男、妖怪なんだ…!
突然、角を生やした男は、行き交う人混みを抜けて、人気の少ない道を目指して歩いて行った。
奈由は、恐怖で慄く、己の心に逆らうように
反射的に、人混みから離れていく男の後を尾けて行った。
恐怖を感じる心とは裏腹、彼の持つ妖気に引き寄せられながら奈由は、バレないように、距離を取りながら
少しづつ、少しづつ、後を尾けた。
男はどんどん街を抜け、人気のない森の中へと、進む。
怪しげに鳴く鴉の声に、不気味な木枯らしの音。
心なしか、木々さえも、あの男を怯えて避けているようにも感じられた。
ゴクリと、奈由は、思わず息を飲む。
―どうしよう…な、何で私ついてきちゃったんだろう。
自分の行動に疑問を持ちながらも、足は、どんどんと歩みを進める。
思いにそぐわぬ、その行動に
奈由は、心臓の音を高鳴らせた。頗る、嫌な意味で。
すると男は、森の奥深くまで来た所で、ピタッと足を止めた。
奈由は、それなりに距離をあけた位置で
木の茂みにしゃがみ込み、バレないよう、静かに男の姿を見つめた。
「へへ…やっと手に入れたぜ」
男は怪しい笑みを浮かべて
自分のポケットから
小さな球体を取り出した。
男の大きな手の中に、すっぽりと埋もれてしまうほどのサイズだ。
緑色に光り輝き、何とも美しい玉だ。
『あの玉、何だろう…?』
「おい、でてこいよ!!」
『っっっっ!!』
や、やばい!見付かった!
どうしよう!
どうしよう!!
どうしよう!!!
こここ、殺される...!
奈由は、男の言葉に
心拍数を上がらせ、思わず恐怖から逃れるために、力強く目を瞑った。
「ふっ!まんまと霊界から闇の三大秘法を盗み出してやったな」
―あれ?
自分の予想が裏切られた。
裏切られて良かった。
角を生やした男とは
また違う、別の男の声が聞こえてきたのだ。
奈由は、ゆっくり目を開くと
そこには、2人の男が話しをする姿があった。
何だ、私じゃなかったのか...良かった。
堅いの良い男に比べると、もう一方の男は
とても背丈の小さな男だ。
だが彼からもまた、凄まじい妖気が感じられる。
見た目は、人間らしい風貌をしているのに、彼も妖怪なのね…。
「切った人間を全て魔物に変えてしまう降魔の劔に、人間の魂を吸い取る餓鬼玉...。これを人間界で使えば…くくっ…」
その男は、左手に持った長く鋭い劔を、不気味な笑みで見つめている。