第7話:新たなる展開
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螢子との楽しいひと時も、瞬く間に過ぎ、週も新たに月曜日。
休み明けの授業は、何だか気が重たいがそれでも、時間は着実に流れて、あっという間に、下校の時間を迎えた。
「奈由、もう帰るの?今日、バイト?」
部活へ向かう生徒や、掃除当番の生徒達が忙しなく動いている中
奈由は、手早く荷物を纏めて下校の準備をしている。
『ううん。今日はちょっと買い物。また、明日ね!』
「うん、また明日ねー!」
クラスの友人達へ、軽く手を振り、教室を後にした。
教室を出ると、廊下に響き渡る沢山の生徒の声。
その中には、霊の声や、霊の姿が
時々あるけれど、今はもう、気にならない。
奈由は、そんな声を掻き分けるようにして、下駄箱を一直線に目指した。
「まだ、南野はお母さんの調子が良くないみたいですね」
「ああ、何でも原因不明の病気らしいんですよ。南野は、父親がいないから...さぞ辛いだろうに」
――――え…?
奈由は、その声が自分の背後にあることに気が付くと
声の主である、A組の担任教師の腕を掴んだ。
『先生!南野君のお母さん、どうかしたんですか!?』
「何だ、群青?どうした?」
先生は、キョトンとした顔で、眼鏡をクイッと持ち上げた。
『先生!南野君...のお母さん...そんなに良くないんですか...?』
先生の腕を掴んだ手が震えている。
自分でも分からない。
どうして、そんなに動揺しているのか。
ただ、もうどうしているか分からない、彼の姿を、彼の存在を
何がしかの形でも捉えたいと感じている自分が、そこにいた。
「あ~...いや、実はな、南野のお母さん、ご病気で入院中なんだ」
『それは...知っています』
先生達は、クエスチョンマークを頭に浮かべながら
顔を見合わせた後もう一度、奈由に視線を移した。
「群青、南野と仲良いのか?」
『え?あ......まぁ...』
仲が良いか、良くないかで言えば
今世は、良くはない...です。恐らく。
「そりゃ意外だな。南野のお母さんの入院が、予定よりちょっと長引いてるみたいでな。今日も、南野は休んでいたから、少し心配だなって話しをしていたんだ」