第4話:落ち着かない心
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「…もう、近づかない方が良いですね」
奈由は、パッと顔を上にあげた。
南野君の今までとは少し違って…やっと決心したような声。
「俺と関わらなくなれば、おそらく次第に妖力がまた低下するでしょう。時間はかかるかと思いますが、暫くすれば君も元の生活に戻れますよ」
意外な答えだった。
もし、これからも南野君の傍にいれば
南野君が愛したという木花の力が戻って
南野君にとっては、望み通りのはずなのに。
彼は…自ら、私と関わらないという選択肢を選んだ。
「俺も極力、君のことは避けます。君も、あまりA組には近づかないようにしてください」
南野君はそれだけを伝え、屋上のドアノブに手をかけ教室へ帰ろうとした。
あまりにあっけなくて…何故か、腑に落ちない。
そして…
『待って!!』
思わず、声を張り上げ、南野君の足を止めた。
『南野君は、それで良いの…?木花とまた出逢うために…君は人間に憑依したんでしょ?なのに…やっと出逢えたのに…どうして関わらないって、決断ができるの?』
こんなセリフを
私が言うなんておかしいことは、百も承知。
だけど、あまりにも悲惨なこの恋物語が…
この終わり方で良いのか。
このまま、彼だけが苦しむ結末で良いのだろうか。