『わっ！いやぁあ～～！！』

「奈由！？どうした！？」

２時間目が教室移動のため、音楽室へと足を運んでいる最中のこと。

心臓が飛び出そうなほど、驚くことが続く。

ちなみに、このように驚いて叫ぶのは、本日１２回目。

さすがの沙希達も、奈由の可笑しな様子に不安を感じている。


「ねぇ…本当にどうした！？今日ずっと変だよ！急に叫んだりして！」

『い、いや…本当に…本当何でもないの…平気…』

目は泳いでるし、冷や汗もかいている。




そう……




昨日、南野君と病院の屋上で話し以降
私は、１人重い足取りで帰路を歩んだ。



その最中…妙におかしなことが起き始める。



浮遊する人や動物。

明らかに、生身の人間とは違う者達が、沢山見えるのだ。


何度も何度も目を擦ってみるが、見える。


これ、世の中では「霊感」と呼ぶらしい。




どうやら私は…幽霊が見えるようになってしまったらしい。