第33話:師弟の物語
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
これで3人の弟子と1人の師匠を、覆っていた深く険しい闇は晴れた。
師弟の熱い抱擁に、奈由は安堵の笑みを浮かべた。
『良かった…』
これも、皆の力があったから。
でも何より、覆面選手の力は大きかった。
その覆面の下に、どんな顔が隠れているんだろう。
『………』
だけど、何故かな。
アナタを見ていると
あの人の姿を…思い浮かべる。
でも、そんなはずは
まさか
―――幻海師範なんてこと…
「えー、それでは皆様お静かに願います!それより、2回戦目を行います!」
『えっ…!?』
あまりに大胆なレフェリーの一言に、会場がざわめきだした。
これに素早く異議を唱えたのは、やはり幽助だった。
「おい!!審判の姉ちゃん!!」
「ハッ?ハイ…!」
「一体何がどーゆーことだ!?つまり俺等に連戦しろってことか!?」
「そ、そのようです…ハイ」
「そのようですって…んだよゴラァ!?聞いてねえっつうの!」
「スミマセン…わ、私は命じられた予定を進行するだけの雇われ司会でして…」
想定外の流れに、浦飯チームに衝撃が走る。
桑原は、既に重傷。
覆面選手も、先程の技に力を要したのか、かなり消耗した様に見える。
『こんな状況で連戦って…ねぇ、幽助君は、体力はどう?大丈夫?』
「体力的にはまだイケそうなんだけどよ…実は、霊丸が出ねえんだよなぁ…」
『え!どうすんの!?』
「霊丸無しでいくしかねぇだろ!まぁそれは仕方ないとして……連戦か。流石にキツイが、やってやるしかねぇな」
相当不利な状況ではあるが、こうなった以上、浦飯チームに拒否する権限はない。
覚悟を決めて、挑むしかなさそうだ。
「奈由」
『…秀一君』
「本当は客席に移動してほしいが、見る限りぼたん達もまだ来ていないようなので、アナタは桑原君と一緒に、できる限り後ろに下がっていてください」
『で、でも…』
「奈由。大丈夫だから。信じて……待っていてくれ」
『………』
妙な不安が、奈由の心を襲う。
だが、冷静さを保つ秀一を前に、これ以上自分がオロオロしていては駄目だと思い直し、奈由はコクリと頷いた。
「うっし!やってやろうぜ!」
「…ああ」
間髪容れず、開始されようとする2回戦。
浦飯チームは、心して次の相手を待った。
〜続く〜
9/9ページ