第3話:蔵馬と木花
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『…まだ…ずっと…一緒に…いたい……』
一粒の涙を流し、それ以上、君は動かなかった。
俺は、動かなくなった君の体内から魂が抜けようとする瞬間
俺もまた、最後の力を振り絞り、君にこう伝えた。
「そのまま…人間界へ逃げて…誰でも良い…憑依するんだ…そうすれば……また…どこか…で…出逢える…かも…しれ……」
俺の魂は…妖狐蔵馬の肉体を、手放した。
そして、魂のみとなった俺は、人間界へ逃がれ、ある夫婦の受精体に憑依することに成功した。
そのまま、身体が成長すれば、本来の妖力も回復する。
そしたらきっと…君を探せる。
時間はかかるかもしれないが
君にまた出逢えるやってくるかもしれない。
そして俺は、出逢った。
意外にも、すぐ近くにいた君と。
同じ学校の同級生。
普通、それだけ近くにいれば、木花の妖気を察知できたはずなのに
蟲寄市ですれ違った瞬間、あの至近距離で、やっと気づくことができた。
それは何故か…?
君は、群青 奈由という人間に憑依することには成功したようだが
その肉体には、わずかな妖気しか残っていなかった。
察するに、あまりに弱りきった妖力のまま憑依したために、完全に乗り移ることができず…記憶を失ってしまったんだ。