第33話:師弟の物語
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あの覆面…マジで何者なんだよ…」
リング外に移動し、ただ1人リングの上に残った覆面を見つめて、幽助がボソッと呟いた。
何者なのかは、未だベールに包まれているが、とてつもない使い手であることは、その場にいる全員の共通認識だった。
「よっしゃー!3対1となりゃ、浦飯チームの負けは決まりさ!やっちまえ!イチガキチーム!!」
イチガキチーム3人と覆面選手が向き合うと、観客が更に湧き上がった。
だが、そんな興奮状態にある会場の雰囲気とは裏腹に、覆面は落ち着いたトーンで話し始めた。
「私も…アンタ達、3人には見覚えがあるよ。高名な武術家の愛弟子で、心から師を尊敬し、修行に励んでいたね。心身ともに強い者達だったが………なんと、酷いものだな」
「……」
機械人間となった3人に、この言葉が届いているかは分からないが、覆面は続けて言った。
「お前達も、もう限界だろう。精神は崖っぷちギリギリのはずさ。終止符を打ってやろうじゃないか……お前達の戦いにな!」
次の瞬間、覆面が構えを変えた。
「なっ…す、すげぇ霊気だ!!」
『うぅっ…!凄いパワー…!身体が持っていかれそうなくらい…強いっ…』
凄まじい霊気が、たちまち満ちていく。
思わず怯むほどの、強力なエネルギーだ。
「冥陰滅呪烈済済壙魄協懲塵光明永却…こおおおおっ!」
覆面が術を唱えると、イチガキチームが一斉に覆面に向かって走り出す。
覆面はその場を動かず、3人が自分に襲いかかるのを待っているかのようだ。
「さぁ!いよいよこれで決着の時か!イチガキチーム、一斉攻撃です!!さあー!どうなる覆面選手ー!!」
戦いのクライマックスを予感して、レフェリーが高らかなマイクパフォーマンスを繰り広げる。
あと、僅か…あと僅かで覆面に攻撃が届く。
――――その時
「光…!」
覆面の指先に光が灯り、そこから派生するように光の輪が広がっていき、辺り一体に閃光が走った。
『うっ…!』
思わず目を細めたが、意外にも閃光は直ぐに落ち着き、数秒後には、辺りの状況が見渡せるようになった。
「浄…裁」
覆面が、術の結びを唱えると
イチガキチーム3名は、覆面による胸の一突きがトドメとなり、その場に力なく倒れた。
「ダ、ダウンです!イチガキチーム3人同時とみなし、カウントを統一します!!」