第33話:師弟の物語
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「馬鹿な!おい!ガタスバル!動け!動かんか!」
「無駄だ。鞭を通して回路に侵入したからな」
「ぐっ…おのれ…!」
思いがけず形勢逆転され、敵は歯を食いしばる。
唯一最大の武器であったガタスバルを、こうも呆気なく破壊されては、どうすることもできない。
『秀一君…!怪我は!?』
「大丈夫。奈由も怪我はないな?」
『うん…大丈夫…』
飛影も、ガタスバルからやっと解放されて、腕を大きく回しながら、奈由達のもとに戻った。
「あの馬鹿でかい機械…イチガキの傑作とか言っていたな。俺達を2回戦目に出場させないために、差し向けるとは…汚い野郎だ」
飛影の言葉に、敵の男は顔を背けたが、すぐさま不敵な笑みを浮かべた。
「……そうさ。俺達は敬愛するイチガキ博士から命じられ、お前ら2人を足止めに来たのさ。試合は、もうとっくに始まっている。ガタスバルは壊されちまったが、足止めには成功したようだ。ふっ……きっと今頃、浦飯達はあの改造された機械人間達によって…!」
ふいに漏らした言葉にハッと我にかえる男は、おもわず口を塞ぎ、顔を歪めた。
だが、奈由は、男の言葉を聞き逃しはしなかった。
『機械人間って…どういうこと?』
「ぁ、いやっ…それは……」
「どうやら、Dr.イチガキチームには何か闇深い策略があるようだな。今ここで包み隠さず話さねば、悪いようにしない。お前達は……一体何を企んでいる!」
「……ドクターからの言いつけでね。これ以上、教えられねぇな。お前らに話すことなんて何ひとつ」
ーーーバキッ!!
「うぐっ…ぉお!」
男が言い終えるか、終えないかのタイミングで、飛影の拳が男の顔面に直撃した。
激しい殴打、そして、あまりに素早い動きに、奈由はポカーンと口を大きく開けて驚いた。
「ゴチャゴチャと五月蝿い野郎だな、お前は。いいからさっさと吐け!!」
やけに感情を漲らせて詰め寄る飛影は、地面に突っ伏しグッタリする男の胸ぐらを掴んで、もう一度激しく拳を打ちつけた。
『ちょっ…ちょちょちょっと待って!死ぬから!ダメ!ストップ!飛影君…!』
慌てて止めようとする奈由だが、こうなっては抑えられないと悟った秀一は、奈由の肩を抑えて首を振った。
そして、何度目かの強打に限界を迎えた男は…ついに口を開いた。