第33話:師弟の物語
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
現れた敵は2人だったが
うち1人は呆気なく、秀一と飛影に倒された。
『秀一君…飛影君…』
茂みに息を潜める奈由は、秀一達を静かに見守った。
「俺達の足止め役にしては、役不足だったみたいだな。逃げるなら今のうちだが…お前も死にたいということか?」
「ふっ…そいつはごめんだな。死ぬのは怖いからな」
敵は不敵な笑みを浮かべて、隠し持っていた謎のリモコンを取り出し、スイッチを押した。
すると、森の奥深くからズシンズシンと、地響きのような音を立てて、何かが姿を現す。
「妖鋼獣、ガタスバル。痛みも死の恐怖も知らない鋼の魔物。イチガキ博士の傑作だ。さぁ、ガタスバル…奴らを殺せ!」
高さ3、4メートルはありそうな巨大な魔物。
ガタスバルと呼ばれたその魔物は、秀一達目掛けて、伸縮自在に設計された腕を巧みに使いこなしながら、ダイナミックな攻撃をした。
『うわゎっ…!』
なりふり構わない攻撃により、森の木々があっという間に薙ぎ倒されていく。
奈由は攻撃が当たらないように、しっかりと身を屈ませた。
「ぐっ…!」
「飛影!!」
猛攻が続く中、飛影は一瞬の隙をつかれ、ガタスバルの触手に捕らわれた。
身動きを取ろうにも、完全に押さえつけられ、なす術なしだ。
「くそっ…!」
飛影が動きを封じられたことで、ガタスバルの標的は、秀一だけに絞られた。
何とか回避を繰り返す秀一。だが、ガタスバルの激しい攻撃が緩むことはない。
そして
『しゅ………秀一君!!』
「蔵馬…!」
ガタスバルは、地面に強く叩きつけるように、渾身の一撃を見舞った。
衝撃のあまり、土煙があがり、秀一がどうなったのか確認ができない。
奈由は身体を起こすと、咄嗟に駆け寄った。
『秀一君っ…秀一君…!あっ…!』
段々と土煙が落ち着いてくると、辺りが見渡せるようになってきた。
そして、今この瞬間に起きた出来事の全てが、ここに明らかとなる。
「…残念だったな」
秀一は、怪我一つ負わず、そこに居た。
一方ガタスバルは、秀一の鞭により、機械内部を破壊され、動きは完全停止。
先ほどまでの意気の良さは失われ、ただの鉄の塊と化していた。