第32話:ベスト8を前にして
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
第一試合。
飛影は中堅として、是流と戦った。
結果的には飛影の圧勝で試合は終わったが、あの時、是流を倒す為に繰り出した飛影の技。
ーーあれは、とてつもない膨大な妖気を放出した、凄まじいものだった。
『飛影君…きっと相当ダメージ食らってると思う。本人は平気そうな顔してたけど……本当は痛いの我慢してるんじゃないかな』
「う〜〜〜ん…でも、試合終わった後も相変わらずの憎まれ口叩いてたくらいだからなぁ。別に平気だと思うぜ?気にしすぎだぜ、奈由ちゃん」
『そうかな。なら良いんだけど…』
桑原君の言う通り、気にしすぎなのかもしれない。
だけど、一度抱いてしまった不安がそう簡単に解消されるわけもなく、その日は解散し、それぞれの部屋に戻った。
明日はいよいよ、Dr.イチガキチームとの一戦。
よく寝て、明日に備えないと。
明日も沢山応援しなくちゃ…。
『ん〜…まだ…5時かぁ…』
眠りが浅く、早めの起床となってしまった。
二度寝でもしようかと思ったが、どうにもこうにも飛影のことが気掛かりで、眠気もすっかり吹き飛んでしまった。
『飛影君…』
やっぱり気になる。どうしよう。
試合までまだ時間あるし…ちょっとだけ探しに行ってみようかな。
『…よしゃっ』
奈由は、隣で眠るぼたんを起こさないようにソッと起き上がり、静かに身支度を整え、こっそりとホテルから抜け出した。
『朝だし…別に危険なことないよね…だいぶ明るくなってきたし…平気だよね…』
朝日が差し込み、明るみを帯びてきた首括島を、奈由は恐る恐る歩き回った。
朝方であればそんなに危ないことはないだろう!と高を括って来たものの、やっぱり少し怖い。
うぅ〜!早く飛影君見つかって〜!
「何をやってるんですか」
『うっっ…!』
……ところが。
一切気配を感じさせることなく、背後からあの人が現れた。
ちょーっと、怒ったような雰囲気で。
『しゅ…秀一君…』
「…はぁ、アナタって人は」
恐る恐る振り向くと
大木にもたれながら
腕を組みながら
呆れた様な表情をしながら
怒ったような表情もしながら(ながら4連発)
奈由を見つめる秀一の姿があった。
『な、何でここに!?』
「隣の部屋から出ていく気配を感じたのでね。妖気の感じからしても…間違いなくアナタだったので。追って来たまでです」