第31話:蔵馬の戦い
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「いやー、あいつの頭突きはマジでやばかったな。次やり合ったら、頭割られる自信あるわ」
『あーあれは凄かったね…』
「ていうかお前…蔵馬んとこ行かなくて大丈夫なんか?」
一通り治療の目処が立ち、仕上げに包帯で固定しているところで、ふと幽助が言った。
一瞬ドキッとした奈由だが、すぐにこう返した。
『この後行くよ。秀一君にも手当て必要だし』
「なら早く行ってやれよ。俺のことはもう良いからさ」
『有難う。そういう幽助君もちゃんと螢子ちゃんのとこに顔出してね?本当に心配してたんだから』
「あー…アイツ来てるんだっけか。まぁ気が向いたら…行くか…」
『気が向いたらじゃなくて!ちゃんと行ってね。さもないとまた螢子ちゃんのビンタが…』
「だぁ〜〜っ!わあったよ。ほら、さっさと行けって!」
居た堪れなくなった幽助は奈由の背中をドンッと押して、蔵馬のところへ行くように促した。
奈由は一言『安静にしてね』と呟いて、蔵馬の待つ場所へと向かった。
「っう…」
どうやら意外と身体に響いているな。
呂屠は確かに大した使い手ではなかったが、あれだけサンドバッグのように殴られれば…身体が痛むのは必至。
秀一は、会場を出て直ぐの場所にある森の茂みで、奈由が来るのを待ちながら、できる範囲の治療は自分でやってしまおうと思った……その時だった。
『お待たせ』
背後から現れた奈由は、秀一の横に腰掛け、頬の傷に優しく触れた。
『薬草塗り込む前に、少しだけ妖気送らせてね。そしたら治りも早いだろうから』
「……お願いします」
久しぶりにまともな会話をした。
お互いにぎこちなさがありつつも、何事もなかったように、奈由に治療を委ねる蔵馬。
それにしても…この短期間で、また腕をあげたな、奈由。
この日のために…日夜修行に励んでいたんだろう。
『…妖力、また上がってびっくりしたでしょ?』
心を読んだのか。奈由は、少し自信ありげに言った。
「1人で修行したんですか?」
『うん。本当は幻海さんのところまで行って修行したかったんだけど、さすがに通えなくて。それなら1人でやるしかないなと思って…』