『…ご、ごめんなさい！』


顔は赤くなり、心臓が高鳴る。

いきなり異性に抱きつかれたこと。
周りの人にその現場を見られたこと。


恥ずかしくて、たまらなくなり


全速力で、その場から立ち去った。












それが昨日の夕方の出来事。




現在、朝８時１３分。

低血圧な私にはこの時間帯が１番きつい。

付け加え、昨日のあの出来事が私の脳裏を支配して、寝不足にさせた。


『眠い…』


目を擦りながら、教室を目指した。

途中、昇降口付近で
中間テスト上位50名の結果発表の掲示があったからか、生徒が騒いでいる声が聴こえた。


そこはあえて、スルーした。
５０位以内に入っていない自信があるからだ。



重い足取りで、何とか教室まで辿り着く。

『おはよー』



教室のドアを開けると
４人の女子が一塊になって、楽しそうに騒いでいるのが見えた。


「奈由！おはよう！」

「おはよう！」

４人は、私にすぐに気が付いて、名前を呼んでくれた。