第30話:暗黒武術会
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「本当にこの会場にいるのよね…!!」
一方、その頃
まだ会場入りしていない奈由達は、会場前で待ち合わせの約束をしているコエンマを待っていた。
幽助に会える!そんな想いからか…螢子はいつになく気合いの入った様子を見せていた。
そんな螢子を、ぼたんは宥めようとした。
「螢子ちゃん、落ち着いてね?お手柔らかに頼むよ?」
「甘いぼたんさん!!私達、幽助のせいで殺されかけたんですよ!?私達をそこまで関わらせておいて、また黙って危険なことをしてるなんて許せます!?」
「ごごごごもっともだねぇ…本当…」
憤慨する螢子の迫力に圧倒されるぼたんは、小さく身体を縮こませて後退り。
だが、2人がそんなやり取りをしている一方で、奈由はソワソワと不自然な挙動を見せていた。
奈由の異変にいち早く気が付いた静流は、肩をポンっと叩いた。
「落ち着きなよ、奈由ちゃん」
『えっ!?な、何がですか!?』
「アンタ、さっきからずっとソワソワして落ち着きないよ。緊張してる?」
『えっ…あ…ゃ…緊張というか…』
ここまで来て…
今更試合を見るのが…怖くなってきた。
肌で感じる、会場の異様な熱気。
殺気だった空気と、場外にまで届くほどの…観客達の激しい叫び声。
こんな殺伐とした空間で、戦うということ。
怪我なしでは、きっとすまない。
そんな予感がしてならないからこそ…不安だけが募っていく。
「……大丈夫よ。中に入ったらこの会場で、誰よりも負けないくらい大きい声で応援してあげましょう。ね?」
『……うん。そう……だね…』
全てを悟ったのか、優しい言葉で諭す静流。
そんな心遣いに、少しだけ心が上向きになる。
不安が拭い切れたわけではないけれど、奈由は、小さく微笑み頷いた。
「……待たせたな」
その直後。奈由の後方から、男性の声が呼び掛けてきた。
この声に聞き覚えのあった奈由は、グルリと振り返った。
『コエンマさん…!!』
「暫くぶりだな。奈由」
久しぶりの大人スタイルコエンマ。
いつになく凛とした表情をしているが、おしゃぶりのせいでか、違和感は増し増しだ。
『今日は子供姿じゃないんですね』
「ばっ…!?オマッ…しっ!!」
おもわず顔を歪めたコエンマは、ひと指を顔の前に立て「これ以上は喋るな!」と強い圧をかけてくる。
「あのぉ…そちらは…?」
すると、状況を伺いながら、遠慮気味に声を掛けてきた螢子に気が付き、コエンマは気を取り直して自己紹介をした。