第30話:暗黒武術会
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「皆様、大変長らくお待たせ致しました!私、リングアナを務めさせて頂きます。小兎と申します。それでは……只今より、暗黒武術会を開催致します!!」
リングアナの高らかな合図を皮切りに、地鳴りのような歓声が、首縊島全域に響き渡った。
「おい!!さっさと始めやがれ!」
「俺達一般妖怪はな!この日のために人も食わず、盗みも我慢して待ってたんだぞ!!」
熱気渦巻く会場に、騒々しいほどの野次が飛び交う。
「浦飯チームなんか、さっさと殺されちまえー!!」
「殺せ!殺せぇえ!!」
「さっさとくたばりやがれ!」
本人達が登場していないというのに…この熱狂っぷりだ。
四方八方から飛び交う暴言。
きっと、ここに味方なんていない。
それだけこの場がアウェーなのだと、浦飯チームは身を持って痛感した。
「…それでは、一回戦の対戦チームの入場です。まずは、六遊会チーム!!」
小兎は手を大きく広げ、リングサイドを指し示した。
すると緩やかな足取りで、六遊会チームがリングに姿を現し、会場は一気に盛り上がりを見せた。
「対するは…ゲスト浦飯チーム!!」
チーム名を呼ばれ、颯爽と姿を現したのは
幽助、桑原、蔵馬、飛影、覆面の5人。
観客は、浦飯チームの登場を待ち侘びていたのか、更にヒートアップした野次を飛ばした。
「きたな浦飯チーム!!さっさと死んじまえー!!」
「生きて帰れると思うなよ!!」
「裏切り者の蔵馬と飛影!てめぇらも粉々にされちまえー!!」
異常なまでに殺気だっているが、そんな雰囲気に臆することはなく、チーム一同は飛び交う野次に、一応耳を傾けた。
「けっ…凄い殺気だな。日頃の鬱憤を全部俺らに向けてきやがる」
「仲間意識のない奴らに、裏切り者の呼ばわりされるのは心外だな」
「んがぁ…うるせぇぞ…てめぇらぁはよぉ…むにゃ」
未だ眠ったままの幽助は、桑原に抱えられながら、気持ち良さそうに寝言を呟いた。
こんな状況にも関わらず、呑気に寝ていられる姿には、ある意味大物感を感じさせられる。
「それでは両チーム前へ!」
リングの中央へと集められた両チーム。
向かい合わせになり、互いの姿を瞳に映す。
やはり、気になるのは…是流と鈴駒。
落ち着いた雰囲気と、2人の余裕な表情には、やはり異質なものを感じさせる。
要注意人物であることは…間違いない。