第3話:蔵馬と木花
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木花は、すぐさま察したようで、一瞬にして顔を赤らめると、目を背けて、悲しげに俯いた。
『…私は、妖花族の長です。一族を…皆を守り…最期まで支えねばならない身です』
「捨てれば良い、一族を。俺は木花を守りたい」
『捨てるだなんてそんなこと…言わないで。そんな…っ……簡単に!』
「ならば、一族のために……俺を捨てるか?」
『…そっ…それは……』
卑怯な言い方をしたと自分でも思う。
でも、俺も必死だった。君を手に入れるために。
究極の選択だ。
俺は気が付いていた。
木花もまた、俺を好いてくれていることを。
心を盗めた。あとは、君「自身」なんだ。
『……蔵馬様、私…』
「木花…愛している。一緒になりたいんだ」
木花の迷いを、解き放ちたい。
俺は、いつになく必死で気持ちを伝えた。
どうか…俺の…そばに
俺に、君を…
一族の長としてではなく
1人の妖怪として
1人の女性として
1人の愛する…君として
木花を……倖せにさせてくれ。
『私も……蔵馬様と……一緒になりたい…』
木花は、俺の両腕の中に飛び込んだ。
―――やっと手に入れた…―――
俺は愛しい木花を、強く抱きしめた。
抱きしめた木花は、想像以上に、華奢で、繊細だった。
「木花…」
この腕に誓おう。
君を、守る。愛し抜く。
大切で愛しい君が、俺の傍にいることを選んでくれたんだ。
これ以上
どんな財宝も、俺には必要ない。