第29話:それぞれの想い
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あっ………きたきた!!おーい!!奈由ちゃん!ぼたんさん!」
『あっ…螢子ちゃーん!』
集合場所の最寄り駅の改札から、大きく手を振り合図する螢子に気が付き、奈由も大きく手を振り返した。
そんな螢子の隣には、煙草を吸いながらこちらを見つめる女性の姿がある。
『お待たせ!待った?』
「ううん、時間ぴったり。私達も今来たところよ!」
『なら良かった。えっとぉ~…そちらが…桑原君のお姉さん?』
恐る恐る奈由が声を掛けると、女性は煙草をしまい、穏やかに微笑んだ。
「アナタが奈由ちゃん?和から話は聞いてるよ。静流っていうの。よろしくね」
まるでモデルの様にスラッとしたスタイルと、大人びた表情を見せる静流。
桑原の姉だというのが俄かに信じがたいほど整った顔立ちに(酷い)奈由は戸惑いながらも、笑顔で応えた。
『初めまして群青奈由です。よろしくお願いします!』
「ふふっ、こちらこそ。さて!とっとと港に向かおうか。ほんじゃ、後はぼたんちゃん先導よろしくね」
「え!?で、でも…アタシ人間界の電車の乗り方とか全然わかんないんだけど!?」
「なぁに言ってんだい?この集まりの主催はぼたんちゃんでしょうが?ほらほら、早く行った行った」
「えっえっええ~!?」
静流の独特なテンションに巻き込まれながら、始まったこの旅路。
慌てるぼたんを横目にして……螢子と奈由は顔を見合わせ、微笑み合った。
「ひぇ~!!殊の外、リッチだなぁ!こんな大会なら何度来ても良いぜ!」
一方、一足先に首縊島に到着した蔵馬達は、早速宿泊先のホテルへ。
想像以上の豪華絢爛なホテルに、桑原は終始ご満悦の様子だ。
「失礼致します。コーヒーをお持ちしました」
部屋に到着して早々、ボーイがコーヒーを届けにやって来た。
未だ眠ったままの幽助をベッドに運ぶと、残りのメンバーは用意されたコーヒーで一息ついた。
だが、桑原だけは警戒して手が伸びないらしい。
「おい…これ……毒持ってんじゃねぇか?」
「そんなセコイ大会じゃないよ。目的は、あくまで純粋な闘いさ」
「開催者の意図は、実力の戦闘でオレ達を八つ裂きにすることだからな」
「んぐぅぅ…でもなぁ…信用ならねぇなぁ…」