第28話:闇からの招待状
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「えっ!えええ!?そそそんなこと言われても困るよ本当!!アタシじゃ勝手に決められないし…!」
困り果てるぼたんは、視線をキョロキョロ動かし、動揺した様子を見せた。
だがそこに、更なる追い討ちをかけるように、奈由の援護射撃が続いた。
『お願いぼたんちゃん!無茶なこと言ってるのは分かってる!でも…大切な人が危険な目に合うかもしれないのに、ただジッと待ってるだけなんて、そんなの辛いよ。できる限り近くで見守りたいんだ…私も…螢子ちゃんも』
痛いほどわかる。
螢子ちゃんの気持ち。
大切な人が
どこか知らない場所で、知らない間に
命を懸けた戦いをする。
そんな時に近くで見守れないなんて…
こんな惨めなことない。
いつ何時何があっても
大切な人を、傍で応援したい。
それが苦しく辛い戦いだったとしても
ずっと…傍で。
「……わかったよ。とりあえず、コエンマ様にアタシから頼んでみる」
「ぼたんさん…!」
渋りながらも、ぼたんは両手を上げて降参のポーズをした。
『ぼたんちゃん、有難う!』
「はぁぁああ~。まったく…2人には勝てないやねぇ…」
大きな溜め息を吐きながらも、ぼたんは少しだけ笑顔を覗かせた。
奈由達の負けん気に、恋する乙女達の熱量を感じてしまい、ある種の感動を抱いたからだ。
「あの…奈由ちゃん…」
すると、話が一区切りついたタイミングで、螢子は奈由の方を振り向き、戸惑いながら声を掛けた。
『んなぁに?』
「さっきは…ごめんなさい。幽助のことが心配なあまり…奈由ちゃんに当たるようなこと言って…」
俯く螢子は、心から申し訳なさそうに言った。
そんな螢子の謝罪を受けながらも、呑気にお茶を啜る奈由は、満面の笑みを見せながら言った。
『良いの良いの、そんなこと!別に気にしてないよ私?』
「ううん!でも…」
『本当に良いんだって!私だって…幽助君が暗黒武術会の特訓で学校に来てないんだろうなぁ~…って何となくだけど分かってたんだもん。言わなかった私も良くなかった。…こちらこそごめんね』
互いに謝りながらも、その場は和やかなものだった。
そしてこれ以上、螢子が気に病まないようにと、奈由はハツラツとした様子で、突然、紅茶を入れたカップを高く持ち上げた。