第3話:蔵馬と木花
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それから、俺達は
何度も何度も、逢瀬を重ねた。
妖花族の者達の目を掻い潜り、待ち合わせは
いつも、日が暮れてから。
木花が落ち着くといった桜の木の上に、2人腰掛けて、他愛もない話をした。
木花が妖花族の長だということ
俺の盗んできたものや、暮らしの話
色々なことを、語り合った。
木から下りる時は、もちろん俺が受け止めて下ろす。
その度に、君は
『蔵馬様が下ろしてくださるから、何度でも木に登れる。私、とても…倖せです』
倖せ…か。それは、俺の方だよ。
木花といると、例えようのない幸福感があった。
常に気を張った生活を強いられていた俺には、木花と逢う時間が、唯一の安らぎだった。
できることなら、これから先も…ずっと、木花の傍にいたい。
傍にいて、俺だけを見ていて欲しい。
俺は…君と…
――――俺は
この日も
いつものように、桜の木へと向かった。
木に登ることはできる木花は、俺が桜の木に到着した時には、すでに自力で木に登って待っていた。
『蔵馬様!お待ちしていました。さ、こちらにどうぞ』
「…木花」
『……はい?』
俺は、木花を見上げながら、腕を差延べた。
「俺と…一緒になろう」
『………え?』
一緒になる…
それは、俺なりのプロポーズだった。