第28話:闇からの招待状
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『ごめん。わ…かんないな』
「あっ……そっか」
『で…でもさ!幽助君って、よく学校サボるんでしょ?またいつもみたいに、フラ~ッと帰ってくるよ!』
「…そうなら良いんだけど。でも…何だか胸騒ぎがするのよ。嫌な予感っていうか…また幽助が…どこかに行っちゃうような気がして…」
何かを思い出したように、螢子は声を詰まらせた。
その瞳には、僅かに涙が滲んでいた。
『螢子ちゃん…』
幽助君が死んだ時のことを…思い出したのかな。
そうだよね。辛かったもんね。
またあの時みたいにいなくなるのは…怖いよね。
それなのに『またフラ~ッと帰ってくるよ』なんて、無責任なこと言っちゃった。
これから、幽助君達は…
命懸けの大会に出場するのに。
『お疲れ様でした!』
「おう、奈由ちゃん!また次のバイトもよろしくな~」
『はぁい!おじちゃんおばあちゃん、おやすみなさい!螢子ちゃんにも…よろしく』
夜、21時。バイトを終えて、雪村食堂を後にした。
螢子ちゃんは「早く風呂入れ!」と、いつもの調子でおじちゃんにどやされて、結局帰りの挨拶はできず仕舞いに終わった。
『はぁぁぁぁ…』
あ、また溜め息が出ちゃった。
もう暫くは、止めようがなさそう。
『大会…2ヶ月後って言ってたっけ』
やだな、本当。本当、ヤダ。
行って………欲しくないな。
「おぉーーーつかれさまぁ!!」
『おあっっ!?』
背中に、何かが乗り掛かる衝撃が走った。
こんな夜道で、まさか痴漢か!?と思うや否や…同時に、聞き覚えのある声が聴こえて、奈由は後ろを振り返った。
『ぼ……ぼたんちゃん!!?』
「へへっ!久しぶりだね!奈由ちゃん!」
ぼたんの登場に、おもわず驚きの声を上げた奈由だが、久しぶりの再会に笑顔を滲ませながら、ぼたんの肩を抱いた。
『びっくりした!どうしたの!?いきなり…』
「んふふっ、アンタがバイト終わるのずーっと待ってたんだよ!どう?元気にしてたかい!?」
『…うん、おかげさまで。ぼたんちゃんこそ相変わらず元気そうで…』
「当ったり前さね!いつも元気で明るいぼたんちゃんだよ~ん!にゃ!」
ほっぺたに指をつきながら、可愛くポーズをとるぼたん。
相変わらずのハイテンションは、どこか懐かしい感じがして安心する。
奈由は、クスッと微笑んだ。
『ふふふっ。それで?何か用があって来てくれたんでしょ?』