第27話:大切な君と君へ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「それじゃあ、奈由ちゃん。また来てね。ご両親にも、よろしく伝えてちょうだい?」
『はい!本当に、今日はご馳走様でした。志保利さんのご飯、すっっごく美味しかったです!』
「ふふふっ、いつでも食べに来て良いからね?奈由ちゃんならいつだって大歓迎よ」
夜も更けて、楽しいひと時も終わりの時を迎えようとしていた。
奈由は、玄関口まで見送ってくれる志保利に感謝を込めて一礼した。
志保利は名残惜しそうにしつつも、またすぐに会えるだろうと確信し、最後は微笑みながら手を振ってくれた。
「じゃあ、母さん。奈由のこと送ってくる」
「ええ、よろしくね秀一。奈由ちゃん、気を付けてね」
『はい。有難うございます!お邪魔しました!』
またの再会を約束して、満面の笑顔で手を振りながら、奈由は南野家を後にした。
志保利の姿が見えなくなるまで手を振り続け、ある程度歩いたところで、手を下ろした。
『はぁ~今日本当に楽しかったなぁ。志保利さんにも再会できたし』
「本当に良い時間になりましたね。母さんも楽しそうにしてたし…有難う」
『それなら良かった!秀一君も……楽しかった?』
「そりゃあ、もちろん。奈由のおかげで…良い1日でした」
肩を並べて夜道を歩き、2人は…今日1日の想い出を語り合った。
あれが美味しかった。
あれが楽しかった…なんて、そんなことを振り返りながら余韻に浸る。
また、こんなに楽しいひと時が
すぐにやってくると…嬉しいな。
『秀一君』
「なんです?」
『志保利さんにもまた会いたいけど…また2人でも……一緒に…どこかお出掛けしようね』
今日というこの日を、皮切りに
これからも想い出を紡いでいきたい。
ひとつ、ひとつ
共有できる2人だけの想いを
秀一君と…奈由だけの
大切な、記憶を作りたいんだ。
「……言いましたね?」
『え?』
「その言葉、忘れませんよ?次に繋げましょう。口約束じゃなく…必ず」
お茶目にも見える、そんな表情を見せながら、秀一は、奈由に手を差し出した。
奈由は、そんな秀一を見つめて、ホッと倖せな気持ちに包まれながら
差し出された手を握り返そうとした
ーーーーその時だった。
『へっ…!?』
「っ…!!」
鋭い妖気が、電撃のように背中を走った。
すぐさま反応を示した2人は、咄嗟に後方を振り返る。
そこには
今日の想い出をも
あっという間に霞ませてしまう
ある人物が…
ーーーー立っていた。
~続く~