第27話:大切な君と君へ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
俺は、君の優しさに甘んじてる。
君なら、俺の気持ちを受け止めてくれるという自信があったらばこそ、正直な想いを打ち明けられた。
そして君は、受け止めてくれた。
どんなに情けない姿を晒して
君は、俺の全てを包み込もうとする。
何故?
何故、そんなにも…君は…
『…そりゃね?木花も私もどっちも大切ってのは、複雑だよ?だけどその想いってさ……いつまでも、そのままとは限らないでしょ?』
あなたが胸に抱えたその感情は
「今」の感情であって
1分先、1日先、10年先も
同じ気持ちのままかなんて、わからない。
あなたの気持ちは
これからの、未来次第で
きっと、大きく変わっていく。
『私生きるって…変化し続けることでしょ?身も心もずっと変わらないままなんて、あり得ないと思うんだ。だからいつかは、秀一君のその気持ちにだって…新しい答えが生まれるかもしれない』
木花を選ぶ、未来。
奈由を選ぶ、未来。
はたまた両方を選ぶ、未来。
どちらも……選ばない未来。
運命が向かう場所は
これからの生き方次第。
ならば、私は…………選ばれたい。
木花としてではなく
奈由として、選ばれる運命を。
いつか、秀一君に
「奈由が誰より大切だ」
って、言ってもらえるように
私………頑張ってみせるもの。
『…焦らなくて良いの。いつか……次の気持ちが見つかったら…』
「奈由…」
『私に教えてね。その答え…ずっと待ってるから…』
頬が、紅潮する。
まるで、告白の返事を待っているような…そんな、淡い想いに包まれて。
握りしめた秀一の手も、ほのかに体温が上がっているのが伝わってくる。
すると…秀一は自身の額を奈由の額に近付け、瞳を閉じながら、噛みしめるように囁いた。
「……有難う」
『……ううん』
「…奈由」
『ん?』
「待っていて下さい。待たせすぎないように…努めます」
『……うん』
一歩、二歩と進展していく
2人の、不思議な関係。
きっと誰にも理解されない。
2人だけにしか分からない、関係。
木花と奈由を、同時に想う秀一。
その心の行方は
どこへ向かうのだろう。
まだまだ分からない
2人の……道しるべ。
答えはきっと…いつか未来先で。