第26話:紡ぎあげる時
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『志保利さん…が?』
思いもよらなかった
秀一の母…南野志保利からの誘い。
奈由は、志保利と出逢った当時の事を走馬灯のように思い浮かべながら、おもわず秀一に詰め寄り、驚喜した。
『も…もちろん!もちろんだよ!私も志保利さんに会いたい!』
「え?本当に大丈夫です?夜遅くなって…親御さんが心配しないですか?」
『前もって、伝えておけば大丈夫!もうそれより何より…志保利さんに会えるの本当に嬉しい!絶対に行く!』
デートより…嬉しそうじゃないか?
そう思うと、少し複雑な気持ちではあるが…
いや…だが、それ以上に
自分の母と会うことを
こんなにも素直に喜んでくれるのは
有り難いこと、だよな。
「有難う。母さん、喜ぶと思う。ずっと奈由に会いたがってたので」
『そっか…本当嬉しい!私もずっと会いたかったもん』
満面の笑みで頷く奈由と、その笑顔に応えるように微笑む、秀一。
互いの間に流れる空気が…より穏やかで、倖せに満ち満ちていく。
何だか、怖いくらいに。
「では、夜は家に来てもらうとして…昼間はどこか出かけましょう。ちなみに奈由は、行きたい場所とかありますか?」
『うーーん…そうだなぁ。行きたい場所というか…クラスの子に教えてもらったんだけど、ろくろ首町にあるケーキ屋さんが凄く美味しいんだって!テレビでも紹介されてたらしくて。だから、食べてみたいな~って!』
「なるほど。ろくろ首町なら、駅周辺に色々有りますし…良いかもしれませんね」
『うん!じゃあ~、ろくろ首町で…決定?』
「ということで…どうでしょう?」
『…賛成!』
不思議なほど、順調に決まっていく初デートプラン。
きっと、2人にとっての初デートの日が
倖せなひと時になるであろうと…確信してならない。
「じゃあ、土曜日…11時に駅前で」
『うん…楽しみにしてるね』
「…俺も。楽しみにしてます」
『……うん』
やっぱり
浮かれずにはいられない。
学校で過ごす時間とは違う
2人だけの………時間。
誰にも、場所にも、縛られない
そんな空間の中で
1つづつ、また1つと
共有していく想い出を…紡ぎあげていくんだ。
前世には、けして負けない
未来に向かった
色とりどりの、記憶の花を。