第26話:紡ぎあげる時
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「お待たせ。コエンマとの通信は、終わりました?」
相変わらず、端正な顔立ちを魅せる
私の好きな人、南野 秀一君。
出逢ってから今日まで…私は何度、この顔に惚けているだろう。
端正なその顔立ちと、つい見惚れてしまう立ち姿。
そして…時折見せる厳しさと、他者を思いやる、絶対的な優しさと愛情。
知れば知るほど、魅力的な秀一君に
私はきっと……これから先も
胸の高鳴りを抑えられないと思う。
『おかえりなさい。今、終わったところだよ』
「そっか。はい、紅茶で良かったですよね?」
『あ、ありがとう!』
秀一は、紅茶のボトルを奈由に手渡すと、程良い距離感を空けて、横に腰掛けた。
「じゃあ、今回の任務も無事終わったことですし…この前の約束、果たしましょうか」
『はっ!!』
秀一の言葉に、おもわず上ずった声を上げた奈由は、まるで仔犬のような無邪気な表情を見せた。
待ってました!といわんばかりの、奈由の素直な反応に、秀一はつい吹き出してしまった。
「っはは!本当に奈由は…何でも表情に出て、百面相ですね」
『え!そんなことないよ!』
「いやいや、説得力ないですよ?そんな……こっちまで嬉しくなるような表情見せられたら…ね」
なんて、穏やかな笑顔。
秀一君のそんな表情…初めてみたかもしれない。
そんな笑顔を
こっちに向けられたら
嬉しくて
私…本当に浮かれちゃうよ。
だって、秀一君も待ち望んでくれてたって…ことだよね?
「デート…しましょうか」
『…うん!』
デ、デートォ~…!!
これまでの人生で殆ど経験のないイベントに、奈由の心は、トキメキの渦を巻き起こしていた。
ほんの少しの緊張と、大きな期待で胸が躍る。
「で、早速なんですけど…土曜日はどうです?奈由の予定さえ良ければですけど…」
『今週の?私は、全然大丈夫!』
「良かった。それで……これも奈由さえ良ければなんですけど…」
少し躊躇いつつ、気恥ずかしげな表情を、垣間見せる秀一。
奈由は、そんな秀一の表情に、何だろう?と、不思議そうに首を傾げた。
「その日の夜…家に来ませんか?実は、母さんが奈由に会いたいそうで…一緒に食事でもどうかと言ってるんです」