第26話:紡ぎあげる時
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
〈…うむ。無事に、雪菜を助け出すことができたようじゃな。ご苦労だった〉
『幽助君と桑原君が、頑張ったからです。私なんて、本当に何もできなくて…ずっと後ろに隠れてるだけでしたもん』
〈はははっ。だが、雪菜はお前に、いたく感謝しておったようだぞ?精神面でのケアは、お前あってのことだ。本当に…よくやってくれた〉
日常を取り戻した、陽気な昼下がり。
学校の屋上で、心地良い風に当たるのが、ひっそりと日課になりつつある、今日この頃である。
はてさて、無事に雪菜を救いだす事に成功した奈由は、コエンマに、任務完了の報告をすべく、霊界七つ道具トランクケース(通信用モニター画面付き)を使って、霊界と通信を行っている最中。
支給された道具も使い熟せるようになり、だいぶ助手が板についてきたかもしれない。
〈幽助と桑原は、だいぶ無茶をしたようだが…怪我の具合はどうだ?〉
『あ、それなら大丈夫です!幽助君の怪我は、私の薬草で何とか治療できたし…桑原君には、雪菜ちゃんが治療を施してくれました』
〈ほう!雪菜が、桑原をなぁ?〉
『ふふふっ、仲睦まじい感じだったんですよ?あの2人』
ーー雪菜ちゃんと出逢った、その後
幽助君達と、無事合流すると
雪菜ちゃんは、一目散に
桑原君に、駆け寄った。
傷だらけの桑原君の肌に触れ、傷を癒そうと寄り添うその姿は…
何だかまるで…
好き同士のように、みえた。
〈ん?そういえば、蔵馬はどうした?昼飯は、いつも一緒に食っておるのだろ?〉
『あぁ、いつも…ではないですけど、丁度食べ終わったばかりで、飲み物を買いに自販機まで行ってくれてます』
〈ほぉお~?桑原達の事は兎も角として、お前達も…なかなか良い雰囲気なのではないか?〉
『え』
〈おっと!こりゃいかんな。そろそろ通信を切らんと、蔵馬に悪いかな。んじゃ!また連絡を入れる!〉
『ぇえ!?いや、あの!…って、もう切られちゃったや…』
無理矢理通信を切られ、暗転したスクリーンに、頬を染めた奈由の顔が映り込む。
『コエンマさんってば…適当なことばっか言って…!』
コエンマからの茶化しに、何とも言えないもどかしさを感じながら、溜め息まじりでトランクを閉めると
タイミングを見計らっていたかのように、彼が……姿を現した。