第25話:頬を伝う宝石
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『…地下に向かってるって!すぐ行こう!!』
「いよっっしゃぁぁ!!でかしたぞ!奈由!!早速、地下に向かうか!」
奈由の言葉に、グッと拳を握り締めながら笑う幽助の一方で、桑原は少し複雑そうな表情を浮かべた。
再び、3人一列で駆け出そうとしたその時、桑原は奈由に向かい「有難うな」と小さく呟いた。
そんな桑原の想いを察した奈由は、桑原の背中に手を当てた。
『絶対…助けてあげようね。雪菜ちゃんのこと!』
「……おう!そうだな!」
『はぁっ…はぁ…着いた…』
地下に辿り着くと、そこはだだっ広い闘技場のような場所だった。
そして向かい合わせの位置から、奈由達を見つめてくる、2人の男の姿。
サングラスを掛けた堅いの良い男と
その男の肩の上に乗っかる、小柄な男。
どちらとも人間の風貌をしていて、あまり妖怪らしからぬ見た目をしているが、どこか、妙な雰囲気は漂わせている。
「あいつらが、雪菜さんが言っていた闇ブローカーに雇われた妖怪…ってやつか。にしても、大した妖気を感じねぇな」
「いや…違うな。よく分からねぇが…ヤツは凄い強い気がする。肌がピリピリしやがる!」
冷や汗を垂らしながら言う、幽助と同様、奈由もまた、男達から鋭い威圧感を感じていた。
何か秘めた力を持っている、そんな気がしてならない。
『あっ!桑原君、あそこ見て!雪菜ちゃんがいる…!』
「へ!?どこ!?どこ!?」
『ほら!あの上の窓のところ!』
ふと、壁の上方を見上げてみると、闘技場を一望できるモニター室の窓に、雪菜の姿を発見した。
垂金権造率いる、手下達に拘束されながら、闘技場の様子を見守る雪菜。
その姿は、不安げでありながらも、助けが来てくれたことに、安堵感を滲ませているように見えた。
すると、沈黙を貫いていたサングラスの男が、ゆっくりと口を開いた。
「よく来たな。あぁ…自己紹介がまだだったね。俺は、戸愚呂だ。そして、こっちは俺の兄者。お手柔らかに…頼みますよ」
意外にも柔らかい声が印象的な、戸愚呂と名乗る男。
サングラスの向こう側から覗かせるその瞳から、底知れぬ深い闇を感じる。
ジリジリと嫌なオーラが漂い始め、幽助はゴクリと唾を飲むと、後方にいる奈由の方を振り向いた。
「…奈由。できるだけ、後ろに下がってろよ」
『…うん』
後退する奈由は、これから始まる幽助達の戦いを…固唾を飲んで、見守った。
そして
「んなぁ!?肩に乗ってた奴が…!」
「武器に変形しやがった!?」