第25話:頬を伝う宝石
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「んなっ!?雪菜さん…!?ゆ…ゆき…雪菜さん!!」
『どうだった?桑原君…』
「…念信が途絶えちまった。俺に、逃げろとだけ言い残して…。くそっ、詳しい場所さえ聞ければ…すぐに駆け付けられるのによ…!」
悔しげに顔を歪ませ、肩を落とした桑原。
「逃げて」だなんてよ…逃げられるかよ!
貴女を…雪菜さんを残して…
のこのこと、逃げられるはずねぇ!!
『私も…雪菜ちゃんに念信してみる』
「なっ…奈由ちゃん…?」
『一応妖力があるし…私にも念信できると思うの。こういう時は、意外と女の子同士の方が、多少話しやすいかもしれない。だから…やってみる!』
奈由はそう言うと、桑原と同じく、瞼を閉じ、耳を塞ぎ、意識を集中させた。
念信なんてしたことないけど
やり方だって、分からないけど
だけど
雪菜ちゃんを助けたいと思う
私達の気持ちが…少しでも彼女に届くように…!
《…雪菜ちゃん!雪菜ちゃん!!》
〈…え?…女性の…声…?〉
《あっ…え!良かった!届いたぁ!!》
〈貴女は…誰…ですか?〉
《私は、群青奈由っていうの。桑原君と…あと幽助君って子と一緒に、雪菜ちゃんを助けに、ここまで来ました》
〈………桑原さんにもお伝えしましたが…今ここには手強い妖怪が、2人もいます。あなた方にも…勝ち目はありません。お願い…どうか逃げて!〉
《それは無理!雪菜ちゃんを置いて逃げるだなんて…絶対にしない!》
〈ダメなんです!折角…助けに来てくださったあなた方に…もしものことがあったら……〉
誰かが傷付く姿なんて
私、もう見たくない。
傷付くのは
私、1人で十分だから…
《……雪菜ちゃん。どうか私達を信じてくれないかな。私もね、桑原君も幽助君も…何も備えをしないでここに来たわけじゃないの。貴女を…救う覚悟があって、皆でここに来たんだ》
〈……っ…〉
《お願い。必ず、必ず助け出してみせるから。この屋敷から脱出するときは…雪菜ちゃんも一緒。絶対に…助けるから!》
〈……お屋敷の…地下に向かっています…お願い……っ……助け…てっ……っ…〉
振り絞るように言う、雪菜の心の叫びが…
奈由の胸の奥深いに、強く響く。
そして奈由は、芯のある声で、応えた。
《…今行くね》