第25話:頬を伝う宝石
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『はぁっはぁ…ちょっと待って!早いよっ…桑原君ってばぁ~!』
「うぉぉおおお!雪菜すわぁあん!」
遂に、屋敷内部へと突入した幽助、桑原、奈由。
屋敷内でも幾度となく、妖怪に行く手を阻まれたが、その都度、幽助と桑原のコンビプレイで敵を撃退してきた。
雪菜への想いに燃え滾る桑原は、先陣を切って、廊下を全力疾走。
そんな桑原の勢いに圧倒されつつも、奈由は、必死で、後を追い掛け続けたのだった。
「たくっ!あんのバカ!女に惚れるとすーぐこれだもんなぁ。こっちの話なんて聞きやしねぇぜ…」
依然として奈由のペースに合わせて走り続けている幽助は、呆れ気味に言い放った。
『でもさ、あれだけ好きな人のために一生懸命になれて凄いことだよね。飛影君の妹って知ったら、どんな反応するんだろ…』
「…反応が見ものだな」
ピーピーピー!!
聴き覚えのある、電子音。
奈由は、腕に装着した妖気計から発信された信号を、その場に立ち止まり確認した。
『待って!また妖怪が近くにいる!』
「なに!?」
桑原もまた、背後から聴こえてきた妖気計の音に反応し、Uターン猛ダッシュで奈由達の下に引き返した。
「この感じ……邪悪な妖気じゃねぇ。もしかすっと……雪菜さんかもしれねぇ!!」
『私も、そんな気がする。今まで感じたことのないタイプの妖気…』
桑原の言葉に、奈由も深く頷いた。
邪気のない、純真な妖気。
きっと、もう近くに…雪菜ちゃんがいるんだ!
「うしっ…!彼女に念信してみる!」
「念信だあ!?そんなことできんのかよ!?」
「分からねぇ…でも、やれるだけやってみるぜ!彼女の心に…届かせてみせる!!」
桑原は瞼を閉じ、意識を集中させた。
雪菜の心に
語り掛けるように
桑原の心の声を、届けようと
ひたすら、強く願い
想いを……送り続けた。
〈雪菜さん…雪菜さん!!頼む…応答してくれ………!!〉
〈……あなたは?〉
〈正義のヒーロー!桑原和真だ!雪菜さん、今どの辺りにいるんだ?すぐに助けに行くぜ!〉
〈お願い!早く逃げて!〉
〈…え?〉
〈垂金権造は……闇ブローカーを雇ったの。今、私のすぐ側にいるの。貴方…人間でしょう?きっと勝ち目はないわ…〉
〈安心しな!そんなヤツ俺が倒してやるぜ!そして貴女を必ず助け出してみせる…!〉
〈…気持ちはとても嬉しいけれど…でもダメ!お願い…!どうか…どうか早く逃げて!!〉