第24話:花はヒカリ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「秀一?どうかしたの?」
「え?」
食器とスポンジを手に持ちながら、動かずにいる秀一を、母志保利は心配そうに見つめていた。
「珍しいわね。秀一がそんなふうにボーッとするなんて…」
「あ……ごめん、母さん。ちょっと考え事してた」
「……そう。でも、あとは私が洗い物をしておくから、秀一は休んでて良いわよ?」
「あぁ、うん。でも、あと少しだから…母さんこそ、休んでてよ」
夕食を終えた親子2人は、仲良く後片付けをしていた。
まだ病み上がりの志保利のことを気遣って、できる限りの家事は手伝うようにしている秀一。
だが、いかんせん今日に関しては…
奈由が、幽助の任務に同行していることもあり、内心いてもたってもいられない。
何かをして、気を紛らわしでもしないと、心配でならない。
奈由、大丈夫だろうか。
「ねぇ、秀一」
なにやら嬉しそうに微笑む志保利は、椅子に腰掛けながら、秀一に声を掛けた。
秀一は洗い物をする手は止めずに、母の言葉に耳を傾けた。
「なに?」
「奈由ちゃん…最近どうしてるのかしら?元気にしてる?」
「えっ…」
奈由のことを、考えていたのが見透かされたのか?と思うほど…タイムリーな話題を投げ掛けられた。
病院での一件以来…志保利は、度々奈由のことを、秀一に尋ねてくる。
どうやら、奈由のことを相当気に入ったらしい。
「元気だと思うよ。まぁ…クラスが違うから、そこまで会わないけど」
「あら、そうなの?私てっきり、毎日一緒に過ごしてるんじゃないかと思ってたわ」
「ははっ…まさか。別に…付き合ってるわけでもないのに…」
付き合っているわけじゃない。
何気なく発した自分の言葉に、どうしてか、胸が締め付けられるのを感じた。
そう。
別に付き合ってるわけじゃない。
ただ、前世で恋仲だっただけ。
今は…別に…そんなこと
「秀一、今度のお休みに、奈由ちゃんを家に招待したいんだけど…どうかしら?」
「え!?」
洗い物を終え、水道を締め切ったところで、突然だされた突拍子もない、志保利の提案。
秀一は驚いた声を上げながら、志保利の方へと振り向いた。