第3話:蔵馬と木花
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数少ない妖花族の情報から得たのは
妖花族は日没後、身を潜める傾向があるということだけ。
武術の心得は無いに等しく、盗み出すのはさほど難しくはないだろうと判断した。
俺は日が沈む頃
妖花族の村へと、忍び込んだ。
そこは…息を飲むような、美しい村だった。
花が至るところに咲き乱れ、不思議と心が安らぐ様な、そんな場所だった。
そして、盗み出すため、宝具を納めているであろう場所へ辿り着くと
すぐ傍らに、一本の大木が立っていた。
大木を彩るのは、桜の花。
そして、その大木の上に…
一人の妖怪が座っていた。
それが君、木花だった。
俺は君のあまりの美しさに言葉を失った。
そして、何を考えたのか…自分から君の側に近づいてしまった。
「ここで…何をしている」
自分でも良くわからなかった。
侵入者は、自分なのに。
下手をすれば、仲間を呼ばれるかもしれないのに
何故か…君の側に近づいてみたくて。
声を聴いてみたくて。
『自分で下りられない。下ろしてくださいませんか?』
驚いた。
君は警戒することもなく、木の上から
地面にいる俺に手を差し出してきた。